rutger

ルトガー・ハウアー死す

2019/7/27(9/1up)

最も好きな俳優の一人、ルトガー・ハウアーが亡くなってしまった。

近年見かけなかったので、引退したのかとも思っていたが、最後に見た時は、かなり太っていたので、
不摂生をしているのかとも感じていたので、今回の訃報を聞いても、それほど驚きはなかったのだが…、

かえってそのことが痛ましい。

75歳。

故郷のオランダに帰っていたそうだ。

何らかの病気だったという。

「ブレードランナー」の続編が作られた時、見たいとは思わなかった。

私にとって、「ブレードランナー」はルトガー・ハウアーそのものだ。

彼がそこにいたからこそ、あの映画は特別なものになった。

デッカードとレイチェルの恋愛模様なんて、どうでもよかった。
ショーン・ヤングは、いらなかったくらい。今となっては忘れた。

覚えているのは酸性雨に打たれ、格闘していた、人であるのに人ではない、人間人以上に人間として、
未来都市の中で屹立していたロイ・バッティの姿。

---------------------------------------

I've seen things you people wouldn't believe.
Attack ships on fire off the shoulder of Orion.
I've watched c-beams glitter in the dark near the
Tannhäuser Gate.

All those ... moments will be lost in time,
like tears...in rain.
Time to die…

俺はお前ら人間たちには信じられないものを見て来た

オリオン座の肩あたりで火を噴く戦闘

俺は見た、
タンホイザーゲートの近くで闇の中に、Cビームが輝くのを

それら…すべての瞬間も、時が来れば失われてゆく

雨の中の…涙のように

…その時が来た…

＊そう呟いて、死を迎え入れたロイ・バッティ

https://www.youtube.com/watch?v=NoAzpa1x7jU

-----------------------------------

本来なら、

like tears...in rain
は

「雨の中の…、涙のように」
だが、

初めてテレビで見た時は、「雨のように、涙のように」

と訳されていた。

レプリカント・ロイが最後に呟く有名なセリフだが、
ルトガー・ハウアーがとてもゆっくりとこのセリフを言うので、こういう訳になったと思う。

この「雨のように、涙のように…」

という感じが詩のリフレインのようでとても好きだった。

もしかしたら、ルトガー・ハウアーのアドリブだったかもしれない。

…思い出は尽きない…