Temple

東寺2
教王護国寺

Toji2

東寺1へ

写真を撮り、取材をしたのは、2004年秋です(涙)

05/3/30

 

では、東寺続編を公開する。完結するかは分からないが(>_<)。

東寺は非常に広い敷地を持っている。その東西南北にある門はそれぞれ重要文化財指定がされているが(西の蓮華門は国宝)、東寺南門前、東寺西門前、東寺東門前というバス停がそれぞれあるくらいだ。

東寺の北側には洛南高校があり、ここは進学校である。優秀な生徒が多いそうだ。アテネオリンピックで団体優勝した体操のたしか冨田選手などがここの出身である(でも京都人ではない)。

東寺は、嵯峨天皇より空海に下された官寺であり、密教美術の宝庫でもある。
寺宝は2万点以上とも言われ(@_@)、国宝は20件ある。

そのわりには軽んじられてないか?東寺。弘法さんの時くらいしか行かないだろ、京都人。しかも中には入らず露天を見るばかり。あかんやん。


講堂 ここにあの立体曼荼羅が。

というわけで、中に入ってみる。

講堂は、中の21体の立体曼荼羅が有名だ。

東寺のウリは、帝釈天だと言い切る。売店でも、帝釈天のブロマイドがひときわ目立つ。ここのトップスターは、間違いなく帝釈天であろう。

ずらりと並ぶ21体のうち、左の一番端っこにおられ、象に乗っておられる。

片足を象の背に乗せ、もう片足はぶらりと下ろしておられるポーズも心憎いが、何しろ男前。
切れ長の目と、垂髷に結った髪につけたティアラがすてき♪思わずうっとり…
って、お前はそういう目でしか見とらんのか!


これが帝釈天さまだ!
本物は写真よりもずっとずっとイケメンですうぅ。

帝釈天は作られたのが平安時代、839年という。それが事実ならば今から1200年近くも前になる。
しかし、1200年も前にこの像を刻んだ仏師の美意識と、今の私たちが像を見るそれとが、何ら変わらないことに驚きと嬉しさを感じ、感動する。
アンタが美しいと思ったものを、今のワシラも美しいと思っているぞ!無名の仏師さん。

 

講堂の本尊というか、曼荼羅の中心は、大日如来という方。密教の中心仏だ。ギリシャ神話で言えばアポロンだろう(ほんとか)。
それを4人の如来が取り囲み、さらにその右には5人の菩薩、左に5大明王、そして右端と左端に梵天・帝釈天が守護するという形。そして、四方の隅に守護の四天王がおられます。
堂内は薄暗く、後ろ側におられる方々は例によって良く見えません。しかし、21人が織り成すマジカルな世界は迫力があり、思わず興奮しちゃいます〜

もうひとり、ひときわ異彩を放っているのが、左側の五人の明王の中心におられる不動明王。
フンヌの形相で恐いのだが、ヘアスタイルが独特。
ワンレン・サイドパートの弁髪。左にお下げを垂らしているのが、意外とキュート。


これが不動明王だ!かっこいいぞ!

21人の仏たちによる曼荼羅の世界は、とにかく、ひたすらかっこいい。
薄暗い堂内であるが、怖さはいくばくも感じない。
むしろ、密教オールスターが勢ぞろいした贅沢な空間であり、みうらじゅんが例えたとおり、現代の私たちの目には正しくロック・コンサートそのものに見える。しかも最上級である。

ビートルズとエルビスと、ボブ・ディランが勢揃いしたようなものだ。そこに、エリック・クラプトンもいる。ジミー・ペイジも加えたい。私の貧弱な想像力ではそれくらいにしか例えられない。
古ぼけた寺院の片隅に、こんな曼荼羅浄土が繰り広げられているとは。これでもスルーするか、京都人(T_T)


大師堂 裏から撮った(>_<)

講堂で興奮してしまった。通常公開されているのはここまで。ここから、特別公開中の左がわの区域へ行く。

大師堂は国宝に指定されているが、講堂で興奮しすぎたためボーっと見過ごしてしまう。お坊さんがお経を唱えている。ここには、非公開の空海の像らしきものがあるらしい。人々が沢山参っている。この区域には露天に丸出しのお地蔵さんなどがあり(新しいもの)、なんだか変な雰囲気。
そそくさと後にする。

あとになって、お地蔵さんらしき露天の像は空海像だと分かった。だって、空海の寺だもんねえ。駄目じゃん、ワシ(>_<)。


ここは、拝観受付場所。売店もあり。

弘法市では境内のいたるところにテントが張られている。法則性というものがなく、でたらめに張られています。
北野さんだと、本殿へ行くまでに規則的に一列(二列?)に並んでいるのですが、ここはもう、スペースさえあればどこにでも。

拝観受付は講堂の北で柵の外側にある。講堂・金堂・五重塔が柵の中。食堂(じきどう)は、柵の外側にあるのだが、現在は祈祷所というか、ややこしいことになっていて良く分からない(>_<)。

 


秋の特別拝観。

本来は、ここを通って講堂・金堂・五重塔へ行くことになる。ここを入ったすぐあたりにお休み処があり、抹茶ソフトクリームなどを食べることが出来る。
受付には売店もあり、東寺あぶらとり紙(有名)、東寺特産のお香、写真集などを売っている。
「週刊古寺をゆく」東寺編は常時在庫。

さて、ソフトクリームを食べた後は、境内をぶらぶら歩く。五重塔前に池(ひょうたん池)があり、そこから写真を撮ると、絵葉書で見なれたあの風景!そのままが撮れたのであった。


五重塔の中は、通常は非公開
紅葉の時期にも行った。この場所が五重塔を写す絶好のポイント。

池には亀と鯉がいた。亀多し。

 

五重塔の前庭の横に東門がある。これは開かずの門であり、足利尊氏ゆかりの傷跡があるらしい。

足利尊氏が、後醍醐天皇と戦った時、新田義貞軍に攻められ、逃げ込んだのが東寺東門だったという。それ以来、門は閉じられたままで、また門柱にはその時に出来た刀傷があるというのだが。

***

五重塔の内部は原則は非公開だが、時々公開される。春・秋の公開と京都の「非公開文化財特別拝観」期間というのがあり、その時期に公開されることがある。春の今も公開されている。
その時期になると特別に係員がおり、説明をしてくれる。

私が行った時、東寺は五重塔の内部と、小子房(こしぼう)が公開されていたのだが、それぞれに800円ずついるのだ。おいおい、ボリすぎだぜ。しかも、講堂・金堂は別料金。キサマ!と、一瞬熱くなるが、小子房をパスしてことなきを得る(^_^;)。


五重塔って、かっこいいなあ…。この木組にしびれるの。外側もいい。

五重塔で公開されるのは初層内部。

もともと、密教寺院らしい曼荼羅図で埋め尽くされていたが、明治時代の廃仏毀釈によって、それらがことごとく排除された。というか、剥ぎ取られたのである。
特別公開では、その削り取られた柱を見せ、廃仏毀釈という無残な歴史をしのばせる。

四方の壁には空海をはじめ、東寺ゆかりの僧たちの肖像(新しいもの)が描かれ、天井や、梁などに埋め尽くされた美しい文様を懐中電灯で示してくれる(塔内は暗い)。

五重塔には真ん中に心柱があるが、それを本尊の大日如来と見立て、その四方に4つの如来が取り巻く。
その心柱と如来を囲むように、柱が4本(その柱に曼荼羅図が描かれてあった)立っており、4本の柱が梁で繋がっている。

 

心柱というのは、塔の中心(真ん中)を上から下までズンと太い一本の柱が貫いているもので、塔を支えているような感じがするが、実はこれは目くらまし(?)で、塔によっていろいろな形式があるらしいが、東寺の五重塔の心柱の一番下の部分は、実は床から浮いている(!)。

木というものは長い年月が経つと伸縮するので、だんだん心柱が膨張するのだそうだ。それで、東寺の五重塔の心柱は最初に建てられた時より一度切ってあるという。その証拠に、心柱の模様と、周囲の台座(?)の模様にずれがある。
ということを、説明のお姉さんが我々をかがませ、如来が座している台座の下を懐中電灯で照らして見せてくれる。

それにしても、では、心柱で支えられているのでないなら、五重塔は何で支えてあるのかという素朴な疑問が。

ただ、説明のお姉さんは、説明の文言を暗記で覚えているだけで、詳しいことを理解しているわけではない。こちらが質問してももごもご口篭もるだけなので、彼等に恥をかかせないためにも、見学者は質問をしてはいけない。

うわーん、終わらなかった(涙)
つづく

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