渉成園
Shosei-en
(枳殻邸 きこくてい)
(Kikoku-tei)
Part 1

河原町通上数珠屋町下ル

07/4/20

枳殻邸は、東本願寺の別邸。
飛び地と称されています。お東さんの庭です。

枳殻邸(きこくてい)は、2006年の秋ごろまで、拝観は無料だった(入り口で志納金が要るので実質的には無料ではない、私は100円を入れていた)けれども、現在はいきなり500円を取るようになった。

庭を守るためにはお金を取ることも必要だろう。でも無料からいきなり500円とはあまりにもいきなりすぎないか。くすん。
500円を出してすら見応えのある庭園であることに間違いはないのだけれども。

しかし、町の真ん中にあるので借景にビルが無遠慮に入って来る。これが大欠点だ。駅の近くなので京都タワーまで見える。これだけはいかんともし難い。

以下は志納金時代に行った時に撮った写真。


印月池

 

枳殻邸は東本願寺の正面・御影堂門から、中数珠屋町通を東にまっすぐ3分くらい歩けば到達します。京都駅からでも歩いて10分くらいです。私の家からはつい近所。

西本願寺は、その境内の中に池などをあしらった庭(庭園)がありますが、東本願寺の場合は少し離れた飛び地に庭がある。だから、この渉成園は純粋な庭だけの施設。

正式には渉成園(しょうせいえん)と言いますが、我ら近くの人間は、普通、枳殻邸(きこくてい)と呼んでいます。
これは、かつて園の周りを枳殻(からたち)が巡るように植わっていたからだそうです。

中央の門を入ったら、すぐにこの石垣がある。

禁門の変で枳殻邸が焼失したあと、焼け残った石を集めて作られたそうです。
丸くて穴の開いているのは石うす。この石臼が好き。曰くがありそうで…

 

おじさんが写ってしまった(>_<)向こうにビルが写るのも興ざめだ。昔はこんなのなくて、いい風景だったのだろう。

ともあれ一歩中に入れば別世界の庭園だ。京都駅近くの町なかにこんな楽園が、と誰もが驚く。

おじさんのいる後ろにあるのは「漱枕居」という建物。多分小さな茶室だろう。

この池には睡蓮や、菖蒲が咲きます。カモが住んでいて、あと鯉が沢山います。


上の池の左側

庭園に入ってすぐにこの大きな池(印月池という名前)があり、とてもきれいなんですが、こちら側にもビルが写ってしまっている…

渉成園は、もともとは平安時代、源融が作った六条河原院の跡地と伝えられて来た。

そして江戸時代、徳川家光によって現在の地が(東本願寺に)寄進され、1653年、石川丈山の作庭によって造られた庭という。

京都の二度の大火によって諸殿は全て焼失したが、明治の初期に復興されたと。

池の向い側にある、ろう風亭(漢字が出ない…、「ろう」はもんがまえの中に良という字)

ここではお茶の接待や、貸し切りで茶会や、東本願寺の法要の時には茶粥の接待などがある。


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ろう風亭を歩き進んで行くと、この風流な木造の入り口があり、ここをくぐるとまた何らかの家屋がある(多分下の写真)。

私は↑この木戸がとても好き。何となく嵯峨野にありそうな感じ。まさか京都駅の近くにこんなものがあるとはね。

 


園林堂? これも茶室のようだ
こういう家屋が園の中に沢山ある

この渉成園はまさに知る人ぞ知る、京都観光の穴場中の穴場だった。

ただそこそこの観光客はいつもいて、特に東本願寺にお参りした人は、そのあとここに寄ることが多いみたいだ。

でも一般の観光客で、わざわざここに来る人はあまりいなかった。京都駅近辺は、敬遠されることが多いからだとも思う。まあ、最近テレビが来たりして、少しずつ名が知れて来たようなので、これからそこそこ混雑するかも。

 

庭園の中には大きな池と小さな池があり、その二つの間に小川が流れている。子供の頃、この川でタニシなど取ったものだ。じつにのどか。

この面白い建物は「傍花閣(ぼうかかく)」と言い、粉引き小屋?監視小屋?
花見をするための施設とも。
中に入ることは出来ない。いつぞやは蜂の巣が出来ていたことも(!)

ともあれ、いっぷう変わった形の建物で、これがきこく亭の一番のウリ。

 


臨池邸から池を臨む 奥に見えるのは滴翠軒(てきすいけん) 41KB

臨池邸は、きこく亭の一番奥にある雰囲気抜群の茶室。手前にある池は、先の写真の池と小さい川で繋がっていて、滝が流れている。

 


回棹廊(かいとうろう)と侵雪橋

印月池には橋が二つ架かっていて、一つは屋根付き、ひとつはカーブを描いた太鼓橋。どちらも木造の趣きのある橋で、きこく亭の中でも私の好きなもののひとつだ

太鼓橋の真ん中に南を向いて立つと、京都タワーが見える。ラブリーと言うべきかとほほと言うべきか

回棹廊をアップで写す

まるでミニ東福寺のようでしょ。とっても素敵な橋です!


縮遠亭(しゅくえんてい) 42KB

回棹廊を渡ると小さな茶室がある。縮遠亭と名づけられていて、もう一つの橋・侵雪橋を渡ってこの石段を昇っても辿りつく。ここは、池の中の小さな島になっている。


印象的なので写した

たしか縮遠亭の端っこに、この不思議な丸いものがあったと思う。「塩竃の手水」というらしく、なんでも源融に由来するものとか。

ここからは、池の中に浮かんでいる9層の石塔を見ることが出来るが、なぜか写真に撮ることが出来なかった(様々な遮蔽物のため)。

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