Temple

永観堂

左京区永観堂町

Eikando Zenrin-ji

04/11/26

京都の秋は永観堂。というわけで、永観堂は、憧れのお寺でした。私は前から言っているとおり(?)、京都には無知で、知ったのはつい最近なんですが(>_<)、見かえり阿弥陀さまが見たかった。そして、なんといっても永観堂は紅葉の名所です。どうせ行くなら、紅葉の季節に行きたい…ということで、紅葉を待って、行って来ました。
京都の紅葉は毎年遅いです。本当は、12月初めくらいに行くのが一番いいと思う。
今の時分(11月中ごろ)は錦といって、赤と黄色、そしてまだ紅葉していない緑と、3色の葉を楽しむらしいのです。


人で一杯の永観堂。なのでひどい写真(>_<)
遠く見えるのは多宝塔

京都駅から市バスで直通で行けます。5番に乗り、「南禅寺・永観堂道」という、そのままやん、という名前のバス停で降りますから、分かりやすい。分かりやすいけれども、混んでいる。四条通、三条京阪までの河原町通は慢性渋滞。道も混んでいればバス内部も混んでいる。ワシは途中から乗ったから、降りるまで立ちっぱなしじゃった。普通にスイスイ行けば30分もあればいけるところ、だらだらと時間がかかる。だから老人にはキツイのう。失敗した。京都駅から乗るんじゃった。
途中で殆ど誰も降りんしね。普通なら四条河原町でみな降りるところなんじゃが、この時期、行くところはみな同じなんじゃろ。


門 総門か中門か忘れた(>_<)
ここも人が一杯

何でしょう、人が一杯でありました。平日だというのに、一体何事だろう。もうね、市バスを降りた時からぞろぞろと皆でこぞって行きましょうという感じです。みんな同じ方向に歩いていて、交通整理のおじさんまで出ているので、どんなに方向音痴でも迷うことがありません。それはいいんですがね。
やはりすごい観光名所だったんだなあ…。みんな、よく知ってるなあ。団体旅行のおのぼりさんも幾団体も来ていて旗を立てていた。いくつも観光バスが入っていた。そんな所です。

 

そんな中、ちゃんと写真撮影スポットというのがあり、観光客が群がっています。いや、皆が群がっているので、そこが撮影スポットだと分かるのです。
ここでは、写真を撮るのが恥ずかしくないです。皆、カメラを持っているし、皆撮影しているから。
(普段、街中で写真を撮るのはたいそう恥ずかしいのだ…)
そのカメラも、ちゃんとした一眼レフとかです。カメラを持っているのはおぢさんが多いです。いわゆるマニアです。
皆さん、撮りまくってます。確かにもう、どこにカメラを向けても絵になるスポットばかりです。


釈迦堂(方丈)の庭から唐門を見たところ

もみじは5分くらいで、ちょっと残念です。でも、一番きれいな時は、もっと混むだろう。それを考えると恐ろしい…。写真を撮るのも難しいです。みな譲り合って撮らせてくれるんですが、このように、ヒトが入ってしまったりします。

この位置は、多分御影堂(大殿)だったと思う。よく覚えていない…(>_<)。おっちゃんたちが次々に座ってカメラを撮っているので、私も撮らせてもらった。ここから、多宝塔が望める。多宝塔を撮る一番のスポットらしい。でも、紅葉の陰に隠れてる…(T_T)。

永観堂の多宝塔はそれほど古いものではないです。確か昭和に作られたものだったと思う。でも、絵になるのです。多宝塔というのは不思議な建物で、何となくマジカルです。お寺っぽくない。京都にも多宝塔はあることはあるらしいけど、あまり古いものはないようです。
有名なのは滋賀県の石山寺のものか。


意味不明の写真(>_<)しかも何の建物だか…

興奮して、ばしゃばしゃ写真を撮ったのですが、興奮すればするほど出来が良くない(>_<)。今回ボツ写真が多いですう。私の場合、構えてから撮るまで約1秒なので、それが悪いのかな…(>_<)

さて、永観堂は、すべてのお堂が廊下で繋がっており(後世に繋げたのだろう)靴を脱いで、袋に入れて歩きます(使い捨てでなく、使いまわしのビニール袋)。門を入って釈迦堂(方丈)、御影堂(大殿)、阿弥陀堂(本堂)と、歩きます。
最後の阿弥陀堂に、「見かえり阿弥陀」さまがいらっしゃるのです。

入り口の「鶴寿台」というところに阿弥陀如来さまがおられるが、脇侍はどういうわけか不動明王と愛染明王というハテナな取合せ。
そのほか、各種寺宝が特別公開中。十六羅漢図は中国のもの、なんとか縁起だったか(?)、巻物に書かれた書が良い。何を書いてあるのか分からないが、とりあえず、800年前の字が書いてあると思うと、それだけで何だか嬉しいぢゃないですか。お寺のニックネームになっている永観さんの肖像画もありました。
長谷川等伯の襖絵があるのだが、博物館に寄託中。
ところで秋の11月の公開中は、拝観料が1000円と跳ね上がる。どういうこっちゃねん。

 

永観堂の本名は禅林寺。聖衆来迎山禅林寺と言い、浄土宗西山禅林寺派の総本山。弘法大師の高弟真紹僧都によって855年に創建せられたという。むつかしー(@_@)
お堂のすべてに指定がないので、例によって、応仁の乱で一度全部焼けたらしい。

このお寺を永観堂と呼ぶのは、永観律師がこの寺に住し、念仏信仰を広められた…ことの徳によってという。
見かえり阿弥陀さまの伝説は、この永観(「ようかん」と読むらしい)さんに因むもの。


多宝塔。

時は永保二年(1082年)、永観さまは阿弥陀如来像を安置する須弥壇のまわりで、一心不乱に日課の念仏行道をしておられた。
ふと気がつくと、いつの間にか本尊の阿弥陀さまが壇上より降り、永観の先に立って先導するように行道をはじめられた。
驚いた永観が立ちすくむと、永観が歩みを止めたことに気がついた阿弥陀さまが、左に振り返り、「永観おそし」と言葉を発せられた。
感涙した永観がこの姿を永く留めたまえと祈ると、以来阿弥陀如来像は振り返ったまま今にその姿を留めているという。

この伝説が、私は大好きなのです。

まるで日本版「禁じられた悪戯」のような奇跡譚。いい人に奇跡は宿る、というような。
そして、阿弥陀さまのセリフのなんとまあ粋なこと。

本当なら、
「永観よ、驚くでない。お前があまりに熱心なので感心して、私も行をともにしようと思ったのだよ」とか、説明をしたいところ、それを、あえて何も言わず、永観をまるでなじるようにひとこと「おそし」。これがいい。
「永観ったら、何してるの。おそいわよ」。
この阿弥陀さまはウィットがある。本当は感心しているくせに、そうは言わず、おそい、となじる。そのなじり方がまるで女のようで、何となく色気がある。
阿弥陀さまって、女だったのかも…、と、それで私は、永観堂の見かえり阿弥陀さまを見たかったのです(いちばん上の写真)

すごーく、小さいんです。実物は、人の半分もない。そして正面から見ると、そっぽを向いているようで、すごく変。つ、冷たい…という感じがする(>_<)
で、当然のことお堂では須弥壇の真横を開いて、ちゃんと、見かえった姿を見られるようにしています。
で、そんなに女っぽくない。でも、両手に結ばれた手指の印相(来迎印というものだろう)の表情が、とても繊細で、きれいなのでした。

さて多宝塔へは、お堂の拝観が終わり、靴を履いたあと、行くことが出来ました。山の上なので、ものすごく急な石段を何段も登り、やっとのことで辿りつきます。はっきり言って、高所恐怖症の私は怖かった(>_<)手すりなんか、あってないようなものなんだもん…
でもおかげで辿り着いたら、すごくきれいな風景が広がっていた。
京都市美術館を中心にして、京都市が一望出来たのでした。あんまり嬉しくて、何枚も写真を撮った…

ここは良かったなあ。でも写真が良くない。目で見た感動をそのまま写すことは出来ないんだね…。でもまあ、いいか。それはそれで。

多宝塔の内部へは入ることは出来ません。夜にはライトアップされるので、このようにライトが。

多宝塔は、真下から見ると、何が何やら分かりません(T_T)。二層で、1階部分は四角く、2階部分は丸いのですが、近くからだと見えません!宝鎖という、屋根についている鎖も見えません。どやねん。

雲の間から日の光がこぼれているさまが、何とも言えず感動でした…
色とりどりの木々に囲まれ…。

下界へ降りて来て、これは阿弥陀堂か?
アベック、邪魔よん!

そんなわけで永観堂・禅林寺。沢山の観光客で賑わっている観光寺ですが、私は好きです。いろいろとみどころがあり、芸達者寺ですよね。

 

池があって、ここもいくつかの撮影ポイントがあり、みなさんが群がっている場所から、私も撮った。
鴨がいて、私は鴨ちゃんが好きなので写したかったが…。橋にはヒトが乗っている。無人のところは撮れませんね…。

 


おまけ

そんなわけで、永観堂に別れを告げ、この道をゆくと南禅寺、という矢印にしたがって、よろよろと歩きました(何せ、バスに乗っている時から立ちずめなので)。歩いているとデカい三門に到達。ここが南禅寺の三門か、とふらふらと門をくぐる。ここも観光客が鈴なり。三門の上もにぎやか。絶景かな?
ふらふらになったので、南禅寺はパスして、次回ということに。三門だけ写真に収めました。

このあと、南禅寺のまるで京都に来たみたいな門前の店の前を通り、疎水べりまで来て、美術館まで歩きました。
岡崎の疎水記念館のあるあたりが大好きです。疎水べりをつらつら歩くのは、心の洗濯だ!次は必ず水路閣からインクラインを攻めるぜ!

 

<ワンポイント観光>

南禅寺の近所です。永観堂とはたいがい、二つセットで観光します。
コースとしては、清水寺、知恩院、南禅寺、永観堂、哲学の道そして銀閣寺という感じ?観光バスならひとっ走りやね。
飛び込み観光客のワシらは、永観堂、南禅寺、水路閣、疎水記念館、疎水散策と疎水尽くしでどうかな?
それとも地下鉄烏丸線から地下鉄東西線に乗り換えていっきに蹴上(けあげ)まで行けば、渋滞に巻き込まれることなく、南禅寺へ行けるぞ。地下鉄京都駅、地下鉄くいな橋駅からひとっ飛びだ。


参考 寺宝展ちらし

Temple | Kyoto Walk | My Favourite Arts | HOME

  inserted by FC2 system