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三室戸寺のあじさい

京都府宇治市莵道滋賀谷21

05/6/27

写真16枚・中には50KBを越す画像もあります。
開くのに時間がかかるかもしれませんので、まことにすみません。


45KB

三室戸寺は西国三十三ヶ所の第十番札所。本来は、Templeのコーナーにコンテンツを置くべきなのだけれど、撮って来た写真はあじさいばかりだ。だから、このKyoto Walkのコーナーに置くのだ。

三室戸寺はあじさいの寺として、40種、一万株の紫陽花が咲くので有名。庭園には他に2万株のつつじ、ハス、しゃくなげ、そして紅葉などがある。


宇治川

何の緊張感もない写真ですみません。今回、私の写真の腕は最低でした。なぜなら母と一緒で、せかせか歩く母が横にいて、ゆっくりと思うとおりの写真が撮れなかったからです。と、言い訳しておく。

三室戸寺は宇治市にある。宇治といえば平等院。京都市民にとっては京都とはまったく違う都市であるが、宇治川の眺めはなかなかよくて、満足した。ここが宇治川の合戦の舞台の宇治川だ♪ああもっとゆっくり見たかった。

橋をわたると平等院へ行ける。

三室戸寺へは京阪でゆく。


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京阪といえば、京都市民にとっては、お正月にお稲荷さんへ行くときに乗る電車である。
終点は大阪の淀屋橋、コマーシャルは「京阪乗る人おけいはん」。
阪急がハイクラスな雰囲気を漂わせているのに比べ、庶民的である。

かつては、鴨川の横を走る路面電車であった。それが地下に潜り、今では鴨川べりを走る京阪の姿を見る事は出来なくなった。
中川家の礼二が淀屋橋から三条までの駅をソラで言うことが出来る。

そのような緑のツートーンカラーの京阪に乗り、我らは中書島(ちゅうしょじま)まで行き、そこで京阪宇治線に乗り換え、終点の宇治まで乗った。

終点の手前、三室戸駅で降りて徒歩で15分、と案内にある。けれども、次の宇治で降りれば、この季節、6月のみ宇治駅から三室戸寺までのノンストップバス(これも京阪バス)が運行しているのである。そんなわけで、宇治駅で降り、臨時バスに乗った。

赤い門をくぐり、まっすぐ行くと階段があり、その上が本堂で、西国十番のお札所になっている。なのに、母が階段を見てびびり、上へ行きたくないと言う。そんなで、お堂までは行かなかった(>_<)。
上には重厚な本堂のほか三重塔や、宝蔵庫には重文の仏像があるというのに。

ちなみに、その仏像(観音様だったか?)の坐像は、普通の胡座ではなく、正座しているという可愛いらしい姿。しかも、正座した後ろには、足のうらが彫ってある(!)。
11月には、「観音様の足の裏を拝する会」というのがある。足の裏をわざわざ見せてくださるのだ。


55KB 大きくてすみません!

そんなわけで、我らは本堂の下に広がる紫陽花園で専ら時を過ごしたのである。


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5千坪の庭園に広がる1万株のあじさいはまさに圧巻。その向こうはツツジで、こちらも5月ごろには二万株のツツジが咲誇る。
でもあじさいが植えられたのはそう古いことではなく、平成になってからのことだという。
お寺の住職が世話をしているのだとか。


あまり上手でないアップを撮ったり。

紫陽花は日本固有の花である(らしい)。
シーボルトが帰国してから、日本に置いて来た日本人妻おたきの名前をとって、オタクサという学名を与えたことでも知られる。


56KB むあっ、見渡す限りどこもかしこもアジサイだ

私は紫陽花が好きだ。花の中ではことのほか好きだと言える。

なぜなら、紫陽花は簡単だからだ。分かりやすい。

元来私は花の名前が苦手で、花を知らない。花を見ても何の花か分からないし区別がつかない。
でも、紫陽花は知っている。紫陽花は、簡単で分かりやすい。

紫陽花は簡単に(ほかの花と)区別がつく。紫陽花が咲いていたら、間違いなくアジサイだと言える。
また1株にいくつもの花をつけてゴージャスだ。雨によって色が変わるのも芸が細かい。


41KB いろんな色があって、青はことのほかきれいだった

そんなわけで、町を歩いていて、民家の軒先にアジサイが咲いているのを見てさえも、ウキウキと心が弾む。

だけど、やっぱりアジサイが咲いているお寺に行きたい。お寺と紫陽花。何という美しげなコントラストだろうか。

紫陽花で有名なお寺って、どこだろう。

鎌倉の何とかというお寺が有名らしい。大昔鎌倉へ行った時、あるお寺へ行って、季節になったらここは紫陽花が咲くのできれいだと聞いた。季節でなかったのが大変残念だった。

でも、京都からわざわざ鎌倉まで紫陽花を見に行くことは金銭的に出来ない。

京都で有名なお寺もきっとあるよな…と探して、そして三室戸寺を選んだのだ。


43KB 種類もさまざま

京都ではほかに藤森神社、善峰寺などが有名らしい。

私は、紫陽花園などと言って、花だけをまとめて公開している庭園などにはあまり心惹かれないのだ。
やはりそこにはお寺の苔むした建物が欲しい。しっとりと落ち着いた風情が欲しい。

たとえ、お札を求めてウロウロしているおばちゃんが多数いたとしてもだ。


43KB だから言ったでしょ 延々とアジサイのアップが続く

紫陽花で思い出す映画は、ルキノ・ヴィスコンティの「ルードウィヒ 神々の黄昏」だ。

それまでの私は、紫陽花という花は軒先に植木鉢に置いておくものか、地面に植えてあって雨露に濡れるもの、だと思い込んでいた。

ところが「ルードウィヒ」では、ワグナーの屋敷の居間や、王宮の部屋の中に大きな花瓶を据え、その巨大な花瓶に山盛りのあじさいの束を投げ入れているのだった。
つまりアジサイを切花にして、花瓶にいけているのだ。


54KB もう飽きた?

日本では、アジサイを束にして巨大な花瓶に入れて部屋に置く、などという発想は到底生まれないだろう。
いわんやもしそうしたとしても部屋の中でアジサイが浮き、調和が取れやしないだろう。
我らの部屋は、アジサイを置くには狭くせせこましい。

ところが映画を見ていると、巨大な花瓶のアジサイの山盛りの束が、どこにあるの分からないくらい、部屋の中に馴染んでいる。
そのほかにも部屋に調度品が沢山置いてあり、それらが一つ一つ、贅を尽くしたものだからだ。
しかも、それだけ沢山のものを部屋に置きながらごちゃごちゃしておらず、成金ぽくもなく、上品に調和が取れている。

西洋の物量のケタの違いを見せつけられた気がした。


40KB まだあるもん! これは縦か横か分からなくなった(>_<)

しかし日本には日本の美意識があり、日本のあじさいの愛で方がある。

庭先や、軒先に咲くそれが雨露に濡れているのを愛で、お寺で手入れされたそれの乱舞をお札を求めついでに感嘆する。それが日本のアジサイだ。

お札所なので、観光バスの団体客もいた。おばちゃんは束になって写真に撮ってもらい、おじさんは高そうな一眼レフのカメラを抱えている。やはりここでもおじさんカメラマンが大活躍だ。
ズームつき一眼レフが多かったぞ。


49KB これ可愛いんだけど、「出口」の表示がよけいだ(>_<)

お休み処があり、そこではアイスやゼリー、かき氷などもあった。しかし途中で氷が切れてしまい、かき氷を販売出来なくなった。おばちゃんがブーブー言っていたが、ちょっと見苦しかった。
ワシラは抹茶アイスを頼んだぞ。とても暑かったのだ。

…もう、書くことがないのでこんなどうでもいいことを書いてます。


38KB

三室戸寺はほかに池泉回遊式庭園、枯山水庭園があるが、母が動くのがイヤだとごねるので行かなかった。クスン。
帰りのバスの中で案内書を見せながら、「ほらこんなとこもあったんやで」と、さんざんなじった。

帰りは中書島駅から特急に乗った。京阪の特急は、料金なしで乗れるようだ。七条までほぼノンストップで行ける。
京阪特急はベージュとえんじのツートンカラーだが、現在は義経模様のイラスト入り。


40KB あじさいさんさようなら また会う日まで

そんなわけで三室戸寺。はるばるあじさいをたっぷり見に行って満足した。少しありすぎとは思ったが…。

宇治駅横の宇治橋を渡ると歩いて平等院へ行ける。本当は平等院へも行きたかった。早い時間に行けば行けただろう。けれど平等院は今修復中。それはまた次の機会にしよう。


註.

京阪電鉄は京都駅には乗り入れていない。京都駅に一番近い京阪の駅は七条京阪。京都駅から歩いてもそんなに遠くない。
五条・四条・三条京阪に停まる。

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