Temple

神護寺

右京区梅ヶ畑高雄町

画像が沢山の上、重いものがあります。重いものには容量を書いています。

06/11/29

 

神護寺は、高尾山神護寺と言い、平安京造営の最高責任者であった和気清麻呂によって作られたというからかなり古い。ざっと見積もっても、始まりは1200年くらい前だ。実に古い。

寺の説明のチラシによると、弘法大師・空海がどうのこうのと書いてあるから、空海ゆかりのお寺でもあるようだ。であるから、密教寺院であろう。
であろうなどと言わなくとも、真言宗と書いてある。

 

我々が神護寺といって思い出すのはまず、源頼朝像だろう。そして、国宝である本尊のどっしりした薬師如来。

しかし今日、京都の我々が神護寺と聞いて真っ先に頭によぎるのが「もみじの高雄」、紅葉の季節になったら訪れたい寺の筆頭である。

てなわけで、神護寺目当てに高雄へ行く。

高雄は、京都人にとって子供のころに良く行くレクリエーションの場である。

清滝川に着くと、何となく懐かしい感じがする。おそらくは、子供のころ地蔵盆か何かで行った時の記憶が刷り込まれているのだろう。

京都駅からはJRバスで直通、または四条烏丸から市バスが出ている。両方とも規定運賃外で、片道500円。

一応市内とはいえ、山奥であって、人里離れた土地と言っていいかと思う。

四条烏丸からのバスはあまり知られていないらしく、シーズンでもそんなに混んでいない。JRバスもあまり知られていないようで、それほど混んでいない。

だから紅葉の名所でありながらかなり行きやすいと思うがどうだろう。


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バスで終点高雄で降りる。そこから、方向音痴の私でもまったく迷うことなく、何となく行けてしまう。矢印やら目印がしてあって、神護寺はこちらと誘導してくれるのだ。ありがたい。

で、清滝川へ行く道すがらで、もうこのような紅葉が拝める。実にありがたい観光地である。

そんなわけで、最初からずらりと紅葉写真全開です。


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バス停から清滝川へ行く間にこのような木々が見えて来る。

あたりをきょろきょろ見回すと、そこここにこのような紅葉が望める。

 

バス停で降りて、誘導にしたがって歩くと、山の上から下に降りる感じになる。

谷底ヘ降りて行く感じです(まさにそのとおりである)。降りる途中にオープンエアのお休み場所(お食事所)があったりする。

谷底まで行くと清滝川が流れていて、おなじみの景色が見えて来る。

で、この清滝川にかかる赤い塗りの橋を渡ると、神護寺の参道に行きつく。

清滝川もなかなか良い景色であるけれど、写真はなし。何せ限られた枚数しか撮れないので、オミットしてしまったのだ。

2枚目の写真、神護寺参道という入り口から、このように参道(坂である)を今度は延々と登ってゆく。

神護寺まで約20分くらいか。

とにかく坂である。ぜいぜい言う。呼吸困難になる。足が痛い。こんなに歩くとは思っていなかった。しんどいぜ。

人は多い。列が途切れることなく皆が連なって、行列を作って坂(階段になっている)を登る。みなぜいぜい言っているが、私の足がことに遅い。ほかの人の足に合わせるのはひと苦労だ。

並大抵ではないしんどさののち、やがてやっと神護寺の門へ着く。古びた楼門の出迎えを受けると、苦労も吹き飛ぶ。ぜいぜい。実にいい門だ。

 


本堂(金堂)

例によって境内は広々としていていろいろな建物が建っている。本尊薬師如来のおられる金堂、毘沙門堂、五大堂、大師堂など、密教寺院らしい堂宇が並ぶ。

しかしチラシによれば、またまた例によって火災により既に平安時代に2度焼け、応仁の乱でも焼け、現在のものは1600年代から新しくは昭和に建てられたもので成り立っているという。

それにしてもこんな山の上の人里離れた寺院なのに、応仁の乱で焼いてしまうとは、昔の人も大概のことをするものだ。

結局、本尊の国宝・薬師如来は見ないままだ(くすん)

ただ、お厨子の外回りにはいろんな仏様(守護の四天王などかと)がおられた。

源頼朝像はどこにあるのか皆目分からず。普段は見ることが出来ないのだ(国立博物館に寄託してあるようだ)。


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紅葉の前のぼろっちい変な建築物が謎だったが、とりあえず撮ってみた。まわりには誰もいない。静かだ。

山を登って来る時はあんなに人で混雑していたのに、みんなどこへ行ったのだろう。

神護寺は「かわらけ投げ」で有名です。かわらけ、って何のことか分からないのだが、とにかく有名。

「かわらけ」を投げる谷底です。この谷底にはさぞや「かわらけ」が沢山落ちているのだろうなと思うが、覗き込んでも見えない。

ここには人がいなくてすがすがしかった。

この高地の空気の漂って来そうな写真が好き(自画自賛)。


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このエリアは人気があり、おじさん写真家さんたちが脚立を立ててじっくり狙っていた。

来年の紅葉写真に使う写真を撮っているカメラマンさんたちだろうかなどと思う。私も習ってちょっとカメラを構えてみる。

 
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ここ感嘆するとこあるよ。ここでわあっと思わないとあともうないよ(くにお・とおる風)。

緑と紅葉のコントラストもきれいでした。ちょっと明度を変えています

金堂の奥、かわらけ投げエリアから帰って来たところにある、大師堂。これは、応仁の乱で唯一焼けなかったお堂だという。

 

階段の奥にわずかに見えるのが金堂で、手前が確か毘沙門堂、そして、ちらりと屋根の見えるのが五大堂かと。並びがちょっとイレギュラーです。

これは何でしたかな。五大堂かもしれません。明王堂かもしれません。今となってはもはや定かではない。

ここで重要な事実を。なぜ神護寺に源頼朝像があるのか。

尤もあの肖像画は頼朝ではなく、足利何とかだという研究が近年されている。最近では「伝・頼朝像」ということも多い。

けれども平安時代の災害で荒廃した神護寺を復興した時に、源頼朝の援助があったという。


ぼやんとした頼朝像

あの像が頼朝像だとされて来たのには、そういう関係からもあるのだろう。

境内から楼門を見た所。帰り際にはすでに日が落ちて来た。

山から降りていく時にも写真を撮ってみた。これから寺へ行く人たちが、ぜいぜい言いながら階段を登って来る。うっそうとした森に紅葉が映えていました。


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そして最後の写真。明度を調節して、見た時の本物に近づけてみたが。

冷えた空気の中で実際に見る紅葉は、神聖な感じがした。そこらじゅうが赤く染まっていた訳ではないが。

京都市内から市バスでわずかな時間で、このような空気の澄んだ、清浄な山奥に行ける。これもまた、京都の良さではないだろうか。

 

行きは四条烏丸から市バスに乗ったが、帰りは高雄からJRバスに乗った。京都駅に着いた時にはすっかり真っ暗になっていた。

私は午後からゆっくり行ったのだが、半日かかった。


交通 京都駅から JRバス高雄行き 四条烏丸から 市バス どちらも約50分

参考 神護寺ちらし

近所 高山寺 

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