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アーノルド・シュワルツェネッガーのキング・オブ・アマゾネス
Red Sonia 1985

監督 リチャード・フライシャー

主演 ブリジット・ニールセン

02/12/31

 

このいかにもうさんくさい邦題。
これは劇場公開されておらず、レンタルビデオでのみ発売され、その時のタイトルである。
シュワルツネッガーは助演だったにすぎないのだが、あたかも彼の主演映画のようにタイトルがつけられている。
またのち、原名「レッドソニア」でビデオが再発売され、テレビ放映時も「レッドソニア」が使われたと記憶している。

「コナン・ザ・グレート」がそこそこ話題になったおかげで、アメリカではそれに便乗したその種の映画が多数作られた。
この映画もシュワを出演させ、女を主人公にし、女コナンとして便乗ヒットを狙ったものだということは明らかだ。

しかし監督をリチャード・フライシャーが担当していることは、少し驚きだ。
というか、やはり昔の名監督といえど便乗作の演出でお茶を濁すしかないのかという、世の流れの無情さをちょっとばかり感じずにはいられない。

 

とは言っても、私はこの映画がことのほか好きで気に入っており、どちらかというと好きで好きでしょうがないという部類の作品なのだ。

まず、音楽がエンニオ・モリコーネである。
そのせいで音楽が素晴らしい。

カメラは何とジュゼッペ・ロトゥンノである。何と言うことだろうか。
こんな便乗作にロトゥンノがカメラを担当しているとは。
そのせいで、カメラはもはやしびれるとしか言いようがないほど、素晴らしい。

しかも、衣装、装置はダニロ・ドナティという、えーこれは、フェリーニ映画のスタッフである。
一体何ということだろうか。そのせいで、装置、衣装は見事に素晴らしい。

一体これはどう言うことだろうか。ただのコナン便乗作になぜこれほどまでの超一流、フェリーニ映画のスタッフが入っているのだろうか。

なぜなら、プロデュースがディノ・デ・ラウレンティスだからである。

ラウレンティスとは、今ではなつかしい名前になってしまった。
「キングコング」の再映画化などで名を落としたこともあったが、しかし、私は有能なプロデューサーであったと思う。
その証拠にこの映画を撮っているからだ。

かつてハリウッドでスポイルされたマイケル・チミノを救ったのもラウレンティスではなかったか。

というわけで、単に便乗作とは言い切れない豊穣さを隠し持っているこの「レッドソニア」。

 

ストーリーは、かつてある国の王女が、隣国の恐ろしい悪の女王に両親を殺され、自分は戦士たちにレイプされ国を追われた。
王女は復讐を誓い、剣の達人らしき仙人のような人物に剣を習い、腕を上げた所で復讐に旅立つ。…

確かそのような話だったと思う。

旅の途中で逞しい剣士(シュワ)と出会い、反発しながらも惹かれ合い、などという大人の恋愛部分が挿入されていて、そこが私の好むところだった。

「愛を求めるならば、征服されることも必要だ。」
そう言って、剣士シュワはブリジット・ニールセンを剣で負かし、唇を奪う。
うーん、素敵…(アホ…)

クライマックスは、悪の女王にたどりついた女剣士ニールセンが、女王とくんずほぐれつの(笑)大格闘を演じる場面。
この悪の女王が、私の愛するサンダル・バーグマンなのであった。
(好きなわりに名前をちゃんと覚えていなかったのだが、調べた)

女同士で丁丁発止の肉弾戦(笑)の戦いを繰り広げるのがアマゾネスものの常套だが、これが楽しい。私ゃオッサンか。
二人とも鍛えており、ちゃんと剣の戦いをクリアしている所が素晴らしい。

 

強く、逞しいお姉さんが太もも丸出しで剣戟に大活躍。時に恋に涙したりもする。
美しいカメラの中でそんな世界が繰り広げられる、まるで夢のような、私の理想の世界がここにあるのだった。
たとえ誰一人知るものはなくても、私は好きでたまらない。

 

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