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Book of Art

日本の名景

洋館

高井潔

平成13年

光村推古書院

04/11/26

日本の名景シリーズ。全国にある洋館を、北海道から九州まで、順番に紹介した写真集。

洋館とは、幕末から明治・大正、昭和初期にまで建設された西洋館建築で、「西洋の影響を受け、なおかつ西洋を意識して建設されたもの」ということである。

都道府県別では、一番多いのが東京、次いで北海道、そして京都となっている。

東京は、関東大震災や、戦災で焼け野原になったと聞いていたが、こんなに沢山の洋館が残っていることに驚き。とくに、国立博物館表慶館の格調高い建築にうっとり。
ただ、名高い帝国ホテルがもとの場所のままで保存出来なかったことが悔やまれる。
今は、明治村に移転している。
京都の有名な聖ヨハネ教会も、元は河原町五条にあったものが明治村に移築されている。残っていれば、京都にさも珍しい本格的ゴシック教会が見る人の目を引いただろうに…。

全国的に、辰野(金吾)様式の建築が展開されているのが嬉しい。いずれも、市の一等地に、銀行としての威容を誇っている。見ていると、辰野銀行見学旅行に全国行脚したくなって来る。

昔は、神戸異人館の建物に憧れたりしたが、今となっては、あれらは少し物足りない。個人の住宅だし、スケールが小さすぎると思うようになった。
京都国立博物館の方が気品があるし、大阪中ノ島の煉瓦造りの方がかっこいいかと。

異色中の異色は、旧鹿児島刑務所正門。鹿児島にいきなりヨーロッパ中世の重厚な城門が。
しかも設計者はジャズピアニスト、山下洋輔の祖父というから驚きも十重二十重。

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