Figure Skating Superstars

2003-2004 シーズン シーズン初め 03/12/1


ずいぶん久しぶりのフィギュアスケートの更新だ。1年以上間隔が開いてしまった。

昨年のシーズンはアニシナ・ペイザラーが引退したこともあって、ふぬけ状態になってしまっていたからかもしれない。
何か書こうと思っていたのにずるずるしているうちにシーズンが終わってしまったのだ。

しかしアニシナ・ペイザラーがその後追求されることもなく、金メダルを剥奪されないまま1年以上が過ぎた今、もうあれこれ言われることもないだろう。よかったよかった。
追求しようにも確たる証拠もなかったのに違いない。うやむやになったようで、実によかった。

 

そんなわけで、今年こそは何とかあれこれ書いてみよう。

何しろ、フィギュアスケートのルールがまったく新しく変わった。今までなじんで来た6点満点の採点がなくなってしまったのだ。

これでまた新しい採点方法を覚えなくてはならなくなってしまった。長年の苦労の末、ようやく採点基準などを理解したというのに。

それもこれも、この問題はソルトレイク・オリンピックの時、あのカナダのペアのカップル、何とかいう名前の…(忘れている…)、思い出した、サレー・ペルティエというカップルが、ペアの採点がインチキだと騒いだことから、端に発しているのだ。

採点が公平性を欠いているということになり、去年から採点方法についてあれこれ検討されて来た。そして今年は試験的にまた新たな方法が取り入れられているという。

グランプリシリーズでは、基礎点に、加算されて行く形で点数が出る。
競技者同士を比較するということはなくなる。

これがまったく分からない。

司会者の解説によると満点はないという。良ければ点数がどんどん良くなるのだと言う。

第1採点と第2採点があり(それぞれちゃんとした名前がついているが覚えられない)、第1採点では演技の基礎、第2採点では芸術的な面を見る(ようだ)。

第1採点では演技のひとつひとつに基礎点があり、それを完全にこなすとその演技の基礎点に3点まで加算点がつく…らしい。演技をミスすればマイナス3点まで減点される。プラスマイナス3点である。

要するに、体操の点数の出し方に近くなるのか?

どうもそうらしい。
トリプル×トリプルを飛ぶと申告しておけば、その技の基礎点があり、それを成功させるとその点数が貰える、というのだから、体操競技の採点に似ているのではないか。

第2採点では、振り付けやつなぎの要素など、5つほど採点のポイントがあり、良ければどんどん加算されていく。

試験的に取り入れられているというから、ひょっとしたらこの方法も暫定的なものなのかもしれない。

なんにしても、満点がなくなった、というのは少し寂しい。
トーヴィル・ディーンがずらずらっと6.0を出した、あの壮観な光景が文字通りもう二度と見られなくなる、というのは、惜しんでも惜しみある…と思う。

 

女子のショートプログラムを見ていたら、ジャンプで失敗しても、他の要素が全部良く出来ていればより点数が出るということもあった。

これまでショートプログラムといえば、司会者も、解説者も、「ミスは絶対許されません」と叫んでいたものだ。

でも、これからはSPでも、大事なジャンプ(ルッツや4回転など)を失敗してもカバーできるのだ、ということになるようだ。

男子、女子、ペアは同じようにSP、 FSで競う。

 


 

アイスダンスの採点も、同じように要素の基礎点で点数が加算されていく。

アイスダンスだけは、コンパルソリー、OD(オリジナルダンス)、 FD(フリー)と、3回滑る(これは今までと同じ)。
コンパルソリーは、確か1分ほどの規定の2曲をすべるはずだ。
ODは、その年に決められたステップを踏む(2分半ほど)。今年はジャイブやロックンロールなどだった。
フリーは何でも良い(4分半ほど)。音楽もボーカルを入れてもよくなった。

 

アイスダンスも、今年の採点から加算基準の技が細かく決められている。

昔からアイスダンスを見ている私などは、様がわりしたのう、と感慨もひとしおだ。

アイスダンスという競技は(営業としては)むつかしくて、再三、スケート競技として相応しくないから、競技から外せとか、オリンピックには入れるなとか、いろいろ意地悪を言われて来たのだ。

それで、観客を退屈させないために、いろいろな技を(強制的に)取り入れなさい、という方向にあるのだろう。

リフト技など、ひと昔前は、あまり派手なリフトをすると嫌われた。
あのリフトは規定すれすれだとか、規定から外れているとか、あれこれ嫌味を言われて、多用する選手はわりと軽蔑されたりしたものだ。

本当に今は昔の物語だ。

今はむつかしい、派手なリフトをしなければ見栄えがしないし、リフトをしなければ減点だ。ああ、時代は変わった。

リフトでは、男性がポジションを変えていくと加算されるという。時代は変わった。

さらに、ダンスでペアスピンとか、ツイズルなどが取り入れられ始めたのはつい最近だと思う。
去年か、一昨年くらいからではないか。

それらは必ず入れなければならない要素になっているのだ。ああ、時代は…。

見ている側も、必死で時代を追い、追いつかなければならなくなったということだろう。

 

フィギュアスケートは、進化しつづけている。油断してはならないのだ。

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