Figure Skating Superstars

Single skating Men

ソルトレイクオリンピック・フィギュアスケート
男子シングル
02/2/17

追加文あり


男子にはあまり興味が持てない…
のだったが、ショートプログラムでプルシェンコ選手が転倒。本田選手が2位。
俄然フリーが楽しみになった。

エルヴィス・ストイコのフリー。
思わず目頭が熱くなる。
あのリレハンメルの時と同じ曲。ウルマノフ、キャンデローロと金を争ったあの時。
でも飛ぶジャンプが違う。
あの時出来なかった4回転、今回は4回転2回転のコンビネーション…そしてもう一度単体で4回転。
キャンデローロは既に引退し、プロに行ったというのに、ストイコはどうしてこんなに頑張れるんだろうか。
ミスター・クオドルプル、ストイコを人はそう呼ぶ。

今回のソルトレイク、観客が鳴り止まない拍手を送るのは、まるで90歳のダンサーが舞台で踊るのに対して拍手をするかのような、ねぎらいのニュアンスがなきにしもあらず…だったが。
でもストイコ選手の終わったあとの、何ともいえない笑顔。
それを見るとすべての戯言が消えて行く。

そうだ、選手はみな頑張っている。
滑りたくて、一つでも順位を上げたくて、これまでの努力が報われることを祈って、
だから選手の顔はみな輝いている。
素晴らしいのは選手だ。誰であれ…成績が芳しくない人も、それでもみんな演技のあとの晴れ晴れした顔。
あんな顔が出来るのは、みな自分がやれることをやったその満足感からだろう。

 

ショートプログラムでプルシェンコ選手が4位になった時、私は彼を密かに応援していたことに気がついた。
ライバルの同じロシアのアレクセイ・ヤグディン選手のふてぶてしさというか、所々に見え隠れする性格に、何となく好きになれないものがあったのだ。

私はフィギュアスケートはまず選手に対する好悪の感情があり、好ききらいが激しいので、それによって応援する選手が決まるのだ。
今回の男子はプルシェンコ派だったのだ。

しかしプルシェンコ選手は、ショートプログラムで転倒しても悪びれず笑顔だった。
フリーでも、精一杯の…。内心はさぞや悔しかったのだろうが、自分の位置はそこだ(銀)と認識している顔だとも思えた。

彼にも教えられた。
以前はプル選手はがむしゃらに勝ちたいという欲求が強かったような気がする。
でも彼のその笑顔は、そこからひとかわむけた笑顔だったように感じたのは気のせいだっただろうか。

ヤグディン選手は、ショートのときから完璧だった。
やはり表現力がずば抜けていた。プルに比べたら、ジャンプだけでなく表現の力が素晴らしかった。
もちろん過去、彼より優れた表現力のある選手はいくらでもいた。
でも現時点の選手の戦いにおいては、ヤグディンは最も優れている。
好きではないけれど、私だって彼の努力、彼の素晴らしさを認めることにヤブサカではないのだ。

ただフリーの後半、ジャンプを全然飛ばなかったプログラムは少し疑問が残った。
今回のこのオリンピックでも最後まできちんとジャンプを飛ぶプログラム作りをしていた選手もいる。とても精々しい。
私はプログラムとしては、技を満遍なくいれているのが好きなのだ。
後半はばてるからなるべくジャンプはよそう、というような姑息なプログラムが好きではないのだ。
なるべくならそうしたプログラムで王者になって欲しいのだ。


追加

母は優勝したヤグディン選手について、
「そやけどジャンプは本田選手の方が高いな」
とのことである。

母は、ジャンプにはうるさいのだ。
確かに選手によってジャンプを高く飛ぶ人、こじんまりと小さく飛ぶ人様々だ。
アメリカの選手はみなジャンプは控え目だ。
というか、ちんまりとしていてスケールが小さい。
母の言うように、日本人の選手の方が思い切りがよく、スケールが大きいと思う。
ヤグディン選手もジャンプはとても美しいが、スケールという点では母の賛辞を得られなかったようだ。

本田選手はとても良かった。
あと1歩だったけれど。それでもあと少しで史上初めて、オリンピックでメダルだったのかと思うとぞくぞくするではないか。

その本田選手を抜いたアメリカのゲーベル選手。
演技のあとのあの愛くるしい笑顔を見ていると、いやみを言うのに気が引けるが、彼は3種類の4回転ジャンプを飛べる一種の天才選手だが、それでも、ジャンプだけであとの表現力が何とも物足りないのが一番難点だ。

ジャンパーと呼ばれる選手ほど、プログラムが退屈なのがいかんともしがたい。
4回転ジャンプがどれだけ飛べたとしても、それだけでは私は満足出来ない。
4分半の時間を退屈させず見せてくれる、人を惹き付けて飽きさせないそんな選手が理想なのだ。

しかしそんな選手でも、4回転さえ飛べば銅メダルを取れる。それが問題でもある。


タイトルに「楽しい」と入れたかったが、何となく気持ちがそがれて入れることが出来なかった…。
もっともっと無邪気にフィギュアスケートを楽しみたかった。

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