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ガブリエル・デストレとその妹
Portrait présumé de Gabrielle d'Estrées et de sa soeur la duchesse de Villars
フォンテーヌブロー派 1594年ころ
ルーブル美術館
ルーブル美術館のとても有名なこの絵、エロティックな点でも謎めいている点でもだんとつの絵画。
この画家の作者の名前さえ分かっていない。
タイトルになっているガブリエル・デストレは右側の女性で、左側がその妹ということだ。
ガブリエル・デストレは、フランス国王アンリ14世の愛妾だったという。
そして、この乳首を摘むというしぐさは、彼女が身ごもったことを表しているとも言われている。
右側のガブリエル・デストレは指輪をこちら側に示すという謎めいたしぐさをしているが、
つまり妊娠によって、国王との正式な結婚を望んでいる、という意味なのかもしれない。
いずれにしても女性の半裸の入浴の図、というきわめて官能的な、蠱惑的なフランス宮廷の好んだらしい、
エロティシズムに満ちた絵だ。
手前の赤いカーテンを開いて、中をそっと覗いてみたという感じの描法も、官能性をより強調しているようだ。
貴婦人の入浴図は、フォンテーヌブロー派の好んだ題材だということだが、フォンテーヌブロー派は1500年代くらい、
16世紀ころにフランスの宮廷で活躍した画家の一派だという。
もうルネサンス期、クワトロチェントの時代から画家はひとりの芸術家としてその名前も
知られる存在であったのに、
フランスの宮廷では、その一世紀もあとになっても名も伝わらず、
宮廷の王族や貴族のために、彼らの好む題材で
絵を描いた無名の画家たちを雇っていたらしい。
フォンテーヌブロー派の描く題材とは、すなわち当時のフランス宮廷の好む題材であったのだろう。
官能的で秘儀的な、謎めいた図が、彼らの寝室を飾ったことだろう。
ルネサンスの時代にも、すでに裸婦像などきわどい画題がさかんに描かれたが、
だがフォンテーヌブロー派の絵にはどこか優美さ、優雅さが漂っている。
それが、単に露骨な性や、きわどいエロだけが目当てではなく、誘惑的でありながら謎めいた、
宮廷らしい気品も、そしてまた妖しい不思議な感じも絵に与えているのだろう。
浴室の貴婦人
こちらもフォンテーヌブロー派による貴婦人の化粧図。
半裸の女性が沢山のアクセサリーを身に着け、薄いベールをまとい、そして指輪を示す。
鏡にはわずかに彼女の横顔が写り、部屋の後ろには召使が用事をしている。
きわめてフォンテーヌブロー派らしい優美な絵で、こちらはフランスのディジョン美術館蔵。
参考) ウィキペディア CREA WEBなど
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