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KAZARI
日本美の情熱

2008/9/5

京都文化博物館

2008年8月2日~9月15日

 

「KAZARI」展へ行って来た。

のだが、会場の中に置いてある展覧会目録を、ソファに座ってただ見してみると
(高いので、通常は目録は買わないことにしてる)、展示していないものの写真が沢山載っている。

展示場の解説にも、彦根屏風みたいな女の人の「舞踊図」は、6枚あると解説されているのに、
2枚しか展示されていない。

6曲一双の屏風の、一隻しか展示されてない。展示場の解説には、もう一隻の方の解説もしてあるのに。

どこにあるんだもうひとつは、と探した。

目録には載っている、茂山千五郎氏所蔵のゴトクみたいなのの模様の肩衣がどこにもない。


というふうに、この展覧会は東京からの巡回のようだが、東京で展示されたものを全部展示してなくて、
すごくはしょってあるようだった。

展示替えをするとは書いてあったけれど、それを考慮しても少なすぎる。

チラシにも、ポスターにも掲載されている、秀吉着用らしい、黒バックに黄色い山、
その上に神火が灯っている、あの不思議な文様の陣羽織が展示されてない。


「浄瑠璃物語」という絵巻も影も形もない。

なんだこれ。

かなり期待して行ったのに、すごくがっかり。

どうしても時間が取れず、後期になってから行ったのが悪かったのか。

 

 

京都文化博物館の4階でこの展示があり、3階は別の展示、2階は常設、一階はエントランスと
売店や食べ物の店が並んでいる。

展示スペースが小さいのなら、3階でも「KAZARI」をやってくれたら良かったのに。

一番印象に残ったのは石見神楽の毒々しい装束だ(平成の新しいものだが)。

ビデオで神楽の様子も上映されていたが、中国と日本の文化のちゃんぽんのような、
悪趣味なあくどさにげっぷが出そうになる。

かざり、というのは「過剰」であることによって、存在を示すものだろう。

石見神楽の装束を見ると、過剰が行き過ぎて、ついに悪趣味に陥っているという部分に、興味が涌く。



「悪趣味」と「粋」は紙一重かも知れず、その紙一重の部分で留まるか、突き抜けてしまうか。

その境目の危ういところで発展して来たのが日本の「KAZARI」であって、また、
過剰を形式の中にうまく閉じ込め、限られた枠の中でどれだけ逸脱し、どれだけのものを盛り込めるかに、
日本人のテクニックがあったのではないだろうか。

工夫を必要とする小手先の技術に関しては、日本人は、憎いほどにその手先の器用さを発揮した。

そこが日本人の腕の見せ所だった。

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