Exhibition Preview

京都文化博物館別館
築100周年記念事業

1祇園祭懸装品展
2貨幣の歴史と近代京都の100年展

2006年6月3日〜7月2日
京都文化博物館

06/10/7

とっくに終わってしまったシリーズ最新作(T_T)、今回は、祇園祭の直前の期間に公開していた、京都文化博物館での展示です。

明治39年(1906年)に旧日本銀行京都支店として建てられた、現・京都文化博物館別館の、築100周年を記念してのイベントで、上記の二つのほか、近代建築写真展(無料)や、関連イベントとして子供クイズラリー、近代建築探検ツアーなどが催されたようです。

イベントと言ってもいたって地味で、やってるのかやってないのか分からないようなひっそりとしたものでした。
あんまりひっそりとしているので、「近代建築写真展」をどこでやっているのか分からず、ついに見ずじまい。

無料なのでもう一度日を改めて見に来ようと思っているうちに終わってしまったという、脱力もののイベントでしたがそこがいい。

 

まず京都文化博物館の別館とは、現在は重要文化財に指定されている旧日本銀行京都支店の建物で、以前はこの入り口はふさがれていて自由に出入りすることが出来なかったが、最近になって解禁され、ここのフロアは無料で入ることが出来る(フロア内部はチラシの上部にデザインされているような感じ)。

本館は廊下で繋がっていて、中庭のようなテラスが途中であり、そこは吹きぬけで、そこを進むとモダンなデザインの(ろうじ店舗などのある)本館へ行ける。

テラスは喫茶店になっているがいつ行っても無人。

 

今回、別館の重文の建物のフロアにでんと据えられていたのが祇園祭、鯉山の山と山飾り一式(懸装品4点)。これは別館ホール展示なので無料で見られる。

ホールには、去年(2005年)の祇園祭の様子が何台かのビデオで再生されていて、ベンチに座って見ている人が多数いた。
去年の祇園祭はお天気が良くて、すごく良かったのだ…。

それにしても、こんな暗いフロアのビデオ画面にまんじりともせず見入っている人が沢山いるとは、京都の人は本当に祇園祭が好きなのだなあとつくづく思った。

鯉山の飾り物には重要文化財のものも含まれるが、この展示では新しく作り直した復元品のみが飾られていた。

 

このホールの建物自体がレトロ建築で、内部もチラシに載っているように、とてもロマンチックで素敵。銀行として使われていたそのままに残されているので、この窓口でお金を引出してもらっていたのだな、と想像しながら見て回るのが楽しい。

ホールを北側へ進むとちょっとした売店があり、そこを抜けるとテラスがあり、テラスを過ぎると本館の入り口がある。

本館へは表から入ることも当然出来るが、今回は裏口から突入した。

本館のホールで500円を払い、エレベーターで3階へ行く。

祇園祭のその他の懸装品の展示は有料である。

 

3階の展示室には北観音山、南観音山、橋弁慶山、黒主山、浄妙山、役行者山、鈴鹿山、八幡山のそれぞれの見送りなどが展示。

などと言っても、それぞれ前懸け、後ろ懸け、水引、天水引、二番水引、三番水引、胴懸け、それに飾り房などと、いろいろある。

見送りには、皆川月華氏の作品もある。南観音山の見送りは、加山又造の原画が有名である。

山鉾連合会の見送り、皆川泰蔵氏のヴィラ・チボリもあった(が覚えてない)。

休み山である鷹山の見送りも展示されていた(皆川月華作)。

何でも、鷹山が復元されることを祈って見送りを寄贈したらしい。涙の出る話である。

鷹山が復元されることを私も祈っておこう。

 

ほとんどが復元・新調品で、重文クラスのものは当たり前だがなかった。

ちょっと楽しみにしていたのに。鶏鉾の見送りとか…。

それでもこれらの豪華な懸装品の数々を見ていると、さぞや莫大なお金がかかっているだろうと想像がつく。

綴れ織、ペルシャ絨毯、錦織、インド更紗、金襴、染彩、刺繍など技法はさまざまだが、綴れ織が多い。

中には動物がもっこりと浮き出ている、浮き彫りのような手法の刺繍もあった。

金糸、銀糸、緋色などが使われており、普段山鉾巡行の時はただ見過ごしてしまう懸装品の詳細を間近で見られたことはラッキーだった。

 

ついで、祇園祭の展示の向かい側に展示されている「貨幣の歴史と近代京都の100年」を見る。

これは何かというと、要するに飛鳥時代からのそれぞれの時代のお金を展示しているのであった。

寛永通宝だの、大判小判だの、10文銭だの百文銭だのがある。もちろん近代になってからの旧1円札とか、旧百円札などもある。

明治時代のお札には、日本武尊だとか、武内宿禰とか、和気清麻呂などの肖像がある。神功皇后も多い。

いかに明治時代が国策として日本を神の国と捉えていたか、お札からも分かるとはびっくりだ。

江戸時代に、山城国知恩院札、山城国西本願寺札などという訳の分からないお札があるのに笑った。

お札の展示の向い側に文化博物館と三条通の歴史のパネル展示があったのだが、お札に気を取られてすっかり眼中になかった。

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