意外と使える
常識として知っておきたい 日本の絵画50 2007 佐藤晃子 KAWADE夢新書 08/8/20 |
うす緑色の表紙の、「常識として知っておきたい」シリーズのひとつで、同じように西洋絵画についての本もある。
この書もタイトル通り、代表的な日本絵画をコラム式に紹介した本だが、意外と使える。
代表作の作品を、始めにその絵画について紹介、次に描いた画家について紹介し、その画家のエピソードなども交えるという構成。
私が日本絵画にそれほど詳しくないせいからかもしれないが、チョイスのセンスがよく、偏っておらず、有名作品をとりあえず知ることが出来て、初心者に分かりやすい内容になっている。
文章は受け売りが多く、というかほとんどが受け売りだと思うが、まあ最後に参考文献がちゃんと上げられているし、それらを参考にして書いたのだろう。
受け売りということは、最近の研究や最近の流行、評価の流れを取り入れているという事で、日本絵画における最近の評価とか、流行が如実に現れている気はする。
若冲の近年の評判だとか、「源頼朝像」の肖像の主についてだとか、光琳の屏風の金箔についてであるとか、そういう最近の話題が取り入れられているからだ。
帯にも書いてあるが、日本には世界に出しても引けを取らない誇るべき作品がいっぱいある。
このような日本絵画への再評価の流れも、最近になってのものだろう。私もちょうど日本絵画に目覚めて来たところなので、このような本でとりあえず勉強しておくには、手軽で便利だと感じた。