ちょっとぬるいかも
裁判官の爆笑お言葉集 2007年 長嶺超輝 幻冬舎 07/6/5 |
今話題の本だ。タイトルに爆笑と書いてあるが、爆笑してもいられないのではないか。
裁判官の発言を無条件に楽しめるところまで私は精神修行がなってない。だから何となく読んで生ぬるい気持ちになる本だ。
裁判官や、日本の裁判制度にいろいろ不備があるからと思う。裁判員制度が始まるけれども、それも不安だ。
こんな時に、裁判官の発言をエンターテインメントとして楽しめない。ちょっと著者は感覚がずれているのではないか?ですね、とか、ですよ、でしょう等のです言葉を使っているのも何となく人を小ばかにした印象があり、萎える。
各判例についての記載が短いのも気になる。著者は裁判官に憧れて何度も司法試験に挑戦したが失敗し、諦めたのだという。そのせいで、裁判官を見る目が甘いのではないだろうか。
ともあれ、すごく有名な裁判の判決も載っているし、そう言えばあんなことがあったなあと思い起す。
京都地裁の、タクシー運転手を雲助呼ばわりした有名な話も出ている。
京都地裁では、生活保護が受けられず、車椅子の母を殺した気の毒な男性の裁判も掲載されている。
「私の手は母を殺めるための手だったのか」
あれは忘れ難い事件だった。