Book Maniacs

Meets
世界遺産をあそぶ京都本

エルマガジン社

2004

05/1/23

ミーツというのは、多分関西地方でのみ発行されているタウンガイドブック。関西の書店に行けばどこででも目にする街案内本である。
京阪神をカバーしているようだ(奈良や滋賀がないようなんですけど^_^;)。

私はこういう京都案内のガイドブックを今まで買ったことはない。京都に住んでいる住人として、プライドにかけて買うわけには行かないではないか(^_^;)。
でもこの本は、京都の世界遺産に特化して特集をしたもの。

京都には、世界遺産の寺社が17件あり、それらすべてを含めて(ひとまとめにして)「古都京都の文化財」として、ユネスコに登録されている。
この、17件のみを徹底特集しているのが珍しく、お寺フリーク初心者としては願ってもいないという訳で、買ってみる気になったのであった。

とにかく、みうらじゅんがゲストとして呼ばれていて(表紙の鳥獣戯画にも紛れ込んでいる)、彼的京都遺産が紹介されているのがすごい。
何しろ「八千代館」が紹介されている本なんて、京都ガイドで初めてだろう。それだけでも画期的な本と言えるであろう。
(八千代館はポルノ映画館だ)
八千代館が太字で書かれているタウンマップなんて、私は見たことがない。どういう地図だ。基準がめちゃくちゃだ。そこがよい。
心底、買ってよかったと思った。

本来は、17の世界遺産登録物件を丹念に紹介しているのだが、その紹介文も紋切り型に通りいっぺんのことを書いているのではなく、要領良く書かれた文章の歯切れの良さとともに、その紹介の切り口が実に新鮮なのだ。

たとえば、西本願寺を紹介したページでは「灯台もと暗し?お西さんは凄かった」「書院を見なきゃ始まらない!」「最古の能舞台は、最古のサラウンド」など、キャプションを読んだだけでもポップで、しかもとても上手に物件を表現している。

恐らくは実際に現地へ出かけ、住職等にあらたに取材をしたものだろう。
ほかの普通のガイドブックではお目にかからないような、一足も二足も奥に踏み込んだ、痒い所に手が届く充実の記述だ。
強力にお薦めする。

ただし17件のみなので、南禅寺や知恩院や、三十三間堂や、その他もろもろは当然入っていない。
であるから、かなり上級か、またはまったく初心者向き。

Meetsはもともとタウンガイドなので、街のショップや食べ物屋の紹介が主な仕事であった。だからその片鱗もあり、食べ物屋や、ホテルの紹介などはある。
世界遺産みやげコーナーで、平等院トランプとか、東寺の曼荼羅下敷きとかが紹介されているが、お土産のチョイスもなかなか。

平等院トランプは欲しいね。ただし、平等院は今修復中のはず。もう少しで完成するようだから、完成したらトランプを買いに行こう(^_^;)。

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