Book Maniacs

京都・観光文化検定
公式テキストブック

京都商工会議所・編

淡交社

2004年

05/2/15

2004年12月に京都検定が実施され、9800人ほどが受験した。
商工会議所では、受験者は3000人ほどという予想で準備していたというから、大盛況だった。
その検定試験の公式テキストブックがこれだ。

だが、試験実施の直前になって、このテキストブックに70箇所以上の間違いがあることが分かり、正誤表を書店で配布したりと、大騒ぎになったこともご存知のとおり。
再版から間違いは訂正されたが、私の持っているのは初版の間違いだらけの方。
ひょっとしたら、かえってレアものとして稀覯本扱いになるかも?(ならないならない)

夥しい間違いが公表された時は当然ながら大騒ぎになり、受験者からのブーイングもすごく、検定試験を止めろ、とまで言われた。
読み返す暇も、校正をしている暇もなく、よっぽどあせって作成したのだろう。
こんなどたばたがあったにも関わらず、試験は無事終わり、目出度く3600人が合格した。

もう試験は終わったので用済みになった本のようだが、決してそうではない。

京都に関することが歴史から伝統工芸から、観光から食料から年中行事までこと細かく書かれているので、とても勉強になる。
当然のことながら、京都に住んでいる者でさえ知らないことも沢山書かれている。
いい機会だから、これからは落ち着いてじっくりと京都のあれこれをこの本で学んでみてもいいのではないか。

 

テキストブックだから、記述は無味乾燥で、なんの面白味もないが、京言葉(京都弁)を解説したページなどはかなり面白く読めるはず。
うちの父は、「さっぱりわやや」が口癖だった。

またお祭りや、行事が月ごとにまとめてあるため、観光する時にもきっと役立つと思う。

かなりのページを割いているのがお寺についてである。
宗派ごとに京都にある寺を説明してあるのだが、あまりにも沢山あって覚え切れない(阿含宗はなさそうだ)。現地のお寺巡りをしなければ身につかないだろう。

試験が終わった今は、京都のウンチクを学ぶのにぴったりだ。
一木一草にも謂れがあると言われる京都をあらためて深く知り、究めるのも悪くないはずだ。

ちなみに、商工会議所の会長(?)は京セラの稲盛和夫氏だ。

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