Art Maniacs : Book Maniacs : Doll Maniacs
バービーからはじまった 2004年刊 新潮社 茅野裕城子 1600円 04/5/11 |
本屋でぱらぱらとページをめくってみたら、ヴィンテージやモッズのバービーの写真が沢山掲載されているので、それに釣られて買ったのだが、私の知るところ、またこれまで私が買った数あるバービー本の中で、およそ最低の本である。
これを書店で見た人がいたら、買ってはいけないと思う。買って読んだら、腹が立って本を投げ出したくなること必至。
私は、これを読みながら何度放り投げようと思ったことか。大体、最初にえんえんとパソコンの不具合や、おっかなびっくりで始めたインターネットだの、イーベイでの失敗だの、どうでもいいことが書き連ねてあるのにいやな予感はしたのだが、それが見事に的中してしまった。
シャーロット・ジョンソン女史を紹介するくだりになって、下手くそな小説まがいの記述になるに及んで、怒り爆発。
読者をなめとんか。本を読んで腹が立ったのは久しぶりである。あんまり久しぶりだから紹介してしまう。
この本は、バービーのコアなファンや、コレクター向きではない。
バービーに関しての知識があり、それでいながらそれ以上の専門的なものを求めるファンにとっては噴飯ものである。バービーの生みの親がルース・ハンドラーであり、バービー人形のもとになったのがビルド・リリーというドイツの人形であって…
そんなことは、バービー好きなら誰でも知っていることであり、そういう人にとって、
今更そんなことを聞かされても何のありがたみもないだろう。他の人にとっては、60年代の風俗をあれこれ紹介しているのは有用なのかもしれないが、私にとってはまったく不用である。
バービーの出て来る誰それの小説、の紹介、なんてもっと不用である。しかも、形容詞が気持ち悪い。
デュラスの「ラマン」で○○が○○のように…とか、プルーストがどうしたこうしたとか。
そんなことは、バービーといっさい関係がない。
なぜこのような、歯の浮くような下手くそな形容を、恥ずかしげもなく並べ立てるのか。謎だ。
なぜ、バービーの顔写真を表紙にしたりしたのだろうか。バービー好きに向けてそうしたのではないのだろうか。
こういう表紙にして、誰がこの本を買うと思ったのだろうか。
バービーの好きな人が買うのではないのか。それならもっと内容のある充実した記述にするべきで、このような小説家の自己満足にすぎない
中途半端なものを読まされて、バービー・ファンが納得するはずがない。これを読むくらいなら、「バービー大図鑑」などを読む方がずっとよい。
「バービーの服の作り方」などの方がずっと実用的だ。
まあ、私にはまったく必要のない本であった。
本当は、もっと罵詈雑言を羅列しようかと思ったが、あまりにもひどいので自主規制した。
著者は小説家らしいが、知らない。