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Johannes Vermer
フェルメール レースを編む女

ルーブル美術館にあるほんの小さな作品(24.5×21cm)だが、ブリューゲルレースをいっしんに編む少女の、
針先にすべての神経を集中した瞬間を描きとって、その瞬間を永遠とした画家の腕。

 

ヨハネス・フェルメールは、オランダ、デルフトの画家。

時代的にはバロック、というよりも、17世紀オランダ絵画として知られた一群の画家の一人。

長く無名で、一般に知られるようになったのはずっと後だが、アドルフ・ヒトラーがこよなく愛したことからも分かるように、
知られるようになってからは、熱狂的な賛美者に迎えられるようになった。

 

 

もうひとつの有名な作品…


牛乳を注ぐ女

 

ひと筋の垂れる牛乳にそそぐ女の視線に、われわれも吸い寄せられてゆく。

室内の壁の質感、窓からさす光がそれを静かに照らす。

 

私が意識してフェルメールの実物を見たのはつい最近の、この作品だ。

たぶん「手紙を書く女」という題のこの作品は、あまりに何気なくて、べつだん何もどうということのないものだった。

なんの強烈な印象も、感慨も残さない。どこという特徴もない。ただ、離れて見ると、ペンを持った少女の手もとがいつまでも光っていて明るい。

フェルメールとは、実に、この何でもなさなのか、と確認した次第である。

 

 

 

そして恐らく、フェルメール好きの人が、その中でも最も好きな作品としてあげるであろう作品が、これ。


青いターバンの少女(「真珠の耳飾りの少女」ともいう)

 

ふとこちらを振り向いた少女の可憐な視線は、永遠にみずみずしく私たちを見つめつづける。

 

 

フェルメールの数少ない風景画も、信じられないほどすばらしい。

 


デルフトの小路

 

鮮やかに目を引く建物の煉瓦の質感とその色合い、そして舗装された道路。

奇跡のように描き込まれたマチエールに驚く。

 

実際の風景ではなく、架空の風景とも言われる

 


デルフトの眺望

 

眩しく晴れた青空にかかる大きな雲は、その後の天気の予兆だろうか。

その下に繰り広げられるデルフトの港に集う人々、その海、
そして港のむこうに見える建物の様子。

すべてが静寂で完璧、そして風景は時を止める。

 

  

もともとフェルメールは総作品数が極端に少ない画家で、現在真筆とされるのは、36点ほどにしかすぎないという。

 

さらにもうひとつ、フェルメールといえば、この「画家のアトリエ」(「絵画芸術」)



フェルメール作品にしてはとても大きい。


部屋の後ろに立つのは歴史の女神クリオ。
画家は永遠に我々に背中を見せながら、彼女を描き続ける。

その作業をカーテン越しに覗く我々もふと一時、時を忘れる。


ピーター・グリナウェイの映画にも出てきました。グリナウェイは、きっとフェルメールが好きなのだろう。

 

そういえば、サルバトール・ダリも、さんざんフェルメールをモチーフにして連作を作っていた。

フェルメールとその時代

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