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北斎展 01/6へ

葛飾北斎 凱風快晴

 

富嶽三十六景の中でももっとも有名な北斎の赤富士。

単純な構図、色。写実とは程遠いデザイン化されたこの図が、なぜこれほど人口に膾炙し、富士のスタンダードにまでなり、
そしてなぜこれほど静謐な感動を呼ぶのだろうか。

北斎は確かにグラフィック・デザインの素養があった。幾何学的な図形を用いて作品を構成するのは得意だった。

それが、単なるデザインに堕していないところが北斎のエライところだ。

それは北斎の中に、単純な形こそが富士の美しさであり、単純な線なり、フォルムで描くことが、
富士を最も良く写すことが出来るとの思いがあったからではないだろうか。

 

 

北斎の「赤富士」を見ていると、ジョン・レノンの「ラブ」という曲を思い浮かべてしまう。

最も単純な言葉と、単純なメロディを使って、とくに言葉など、
ポピュラーの世界でいやと言うほど使い古された「ラブ」だの「ユー・アンド・ミー」だのという言葉を使いながら、
あれほど純化された、普遍的な曲を作り上げたジョン・レノン。

よけいなものがなにもない、よけいなものはとことん省いてゆく、ということがあれほどの透明感を獲得できた理由だと思う。

 

北斎のこの「凱風快晴」を見る時、ちょうど同じ思いを私は抱くのだ。

よけいなものがなにもないのに美しく、しかも風化されない。

華美なものが美だとする常識をあざ笑うかのように、それは神々しく屹立している。

 

それは老いても絵画探求の手を休めず、死ぬまで道を究めようとした、北斎その人の孤高の姿を髣髴させもする。

 

ほかの富嶽三十六景から

 

裏赤富士というべき、「山下白雨」。
右下に見える稲妻の鮮烈さ、微動だにしない富士の大きさ、
異様な迫力で、見るものに迫る。

 

 

これも大変有名な「神奈川沖並裏」。

シリーズきっての名作というだけでなく、日本の絵画の中でも最も有名なもののひとつ。

波の巨大さ、その飛沫まで描く詳細な描写、対する人間の卑小さ、そして不動の富士。

動と静の鮮やかなコントラスト、何より「見ることの愉悦」を与えてくれる、絵。

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