My Favorite Artists  | TOP | HOME

Sandro Boticelli
サンドロ・ボッティチェリ

ヴィーナスの誕生

ボッティチェリといえばこれ、最も有名な「ヴィーナスの誕生」。

 


フィレンツェ ウフィツィ美術館  1486ころ


画像を鮮明なものにさしかえました 17/03

 

近年、修復がされたので鮮やかな色彩が蘇り、ボッティチェリが描いた当時そのままの美しい画を楽しめるようになった。

 

中央に生まれたばかりの裸体を恥ずかしげに隠すヴィーナス、
その左に風の神ゼフュロスが口から風を吹かせると花が飛び出して来て、舞い散る
ゼフュロスが抱いているのはニンフのクロリス

右側では季節の女神ホーラーがヴィーナスに風にたなびく衣を着せかけようとしている…



人間性の回復の、喜びに満ちたルネサンスの、時代の気分が画面から溢れ出て来るようである。

 

***

真ん中にいる愛の女神ヴィーナスが貝殻に乗って海から上がって来た場面…。

そのヴィーナスの顔から首にかけての繋がり方のデッサンが狂ってる…と、
初めて子供のころ見た時に思ったけれど。 

 

彼女が胸と、その長い赤い毛で下腹部を繊細な手で隠す恥じらいの動作が何とも初々しく、
いつかその場面に引き込まれてうっとりしていた。

永遠に美しい瞬間を、いつでも我々は見る喜びを味わうことが出来るのだ  

 


 

プリマヴェーラ 春


フィレンツェ ウフィツィ美術館 1478ころ

 

中央の高い位置にいるのは着衣の女神ヴィーナス

左端には商業の神メルクリウスが杖で金色の雲を払っており、

その横には三美神。前向き、後ろ向き、横向きと女性の姿を三方向から眺める図像として愛されて来た

ヴィーナスの右横には花の女神フローラが花を撒こうとしている

一番右側には西風の神ゼフュロスがクロリスを抱こうとし、
ゼフュロスが彼女に触れるとその口からは花がこぼれ、
彼女はやがて花模様のドレスを身に纏う女神フローラに変身するのだ

ヴィーナスの頭上では天使が矢をつがえる

あまりにも有名なルネサンスの画家の代表作


(追記)04/11

サンドロ・ボッティチェリは、ウフィツィ美術館にあるこの「ヴィーナスの誕生」と、「春(プリマヴェーラ)」の二つで、
ルネサンスの代表画家という評価がされているが、晩年は自己の画風を否定し、神秘主義に走った。

美術ファンなら誰でも知っていることだが、一般には知られていないかもしれない。

熱烈なキリスト教者、サヴォラローラに感化されてのことだった。

そのサヴォナローラも、のち処刑された。ルネサンスは、花のように美しいだけの時代ではなかった。


 

神話より

 


ヴィーナスとマルス 1476ころ

 

軍神マルスが眠り呆けているそばで、白い当世風の衣装に身を包んだヴィーナスがその姿を見守る。

森の妖精パンたちが彼らの周りを取り囲む

若く美しい青年の裸体を描き、そして彼を見つめるあどけない表情のヴィーナスは、彼を支配しているかのよう

美と愛の勝利を絵にしたのかもしれない

横長の画面に神々の姿がゆったりと描かれ、神話の世界を我々に垣間見せてくれる。
いつまでも見飽きない太古の世界だ




パラスとケンタウロス 1482ころ


実際にボッティチェリの絵をじかに見た初めての作品

パラスが荒ぶるケンタウロスを抑え込み、勝利している場面

やはりケンタウロスの顔の位置のデッサンが少し狂っているという、
ボッティチェリの癖が出ている

この野性的なケンタウロスを手なづけている
美しい衣装に身を包んだパラス。

彼女もまた、ほかのボッティチェリの絵に登場する女性によく似ていて、
そして勝利の鉞を手にして、女性の強さを表しているようだ


ヴィーナス 1490ころ


ドイツの美術館にあるというヴィーナス像

まるで、「ヴィーナスの誕生」の場面から抜け出て来たような、
まさにその通りのヴィーナスだけの単独の像。

でもまさしくこれはボッティチェリのヴィーナスに違いない。

均整の取れた肢体と、愁いを帯びた美しい女性としての表情、
なびく金髪

女性像としての理想像だろう

髪を少し三つ編みに結ったところが可愛らしい




 


 

肖像画━





若い女の肖像(クラリス・オルシーニ?)1485


これも実際の絵を見たことがある。

ほかのボッティチェリの華麗な女性像と違い、
とても質素で、絵の具もあまり多くの色は使っていない。

髪形もシンプルで地味、ドレスも地味な色でシンプル、
モデルの表情も固くて、猫背気味…


それでもボッティチェリの特徴である繊細な線描は変わらず、
くっきりとしたポートレイトが浮かび上がっている。

ドレスの描写も細かく、当時、身につけられていた衣服の詳細が
分かって、興味深い。



若い婦人の肖像(シモネッタ・ヴェスプッチ?) 1476


以下、おそらくシモネッタの肖像ばかり━

ボッティチェリは肖像画も良くした。

とくに婦人の横顔像は彼の得意とするところで、
また女性の美しさを存分に引き出していて、魅惑的。


シモネッタはメディチ家のジュリアーノの愛人で、
とくにその美しさが有名となり、讃えられた。

ボッティチェリのヴィーナスのモデルではないかとも言われる


複雑な当世の流行の髪形に結い、華麗に結い上げ、
当世の衣装に身を包む美しい女性。

だが表情が憂いに満ちているのは早世したからでもあるだろうか




若い女性の肖像(シモネッタ・ヴェスプッチ)
または女性の理想像
(ニンフとしてのシモネッタ・ヴェスプッチの肖像)
1480-85



美しきシモネッタと称されたルネサンスの華、
若くして逝った彼女の美しさをルネサンスの画家たちは
こぞって絵にした。

ボッティチェリもいくつか彼女の肖像を描き、画家に、画家たちに
霊感を与えた存在だった。


彼女はわずか22歳で生を終える。





美しきシモネッタ(シモネッタ・ヴェスプッチ)1480-85


シモネッタは、1453年から1476年までの生年だった。

ボッティチェリは彼女の死後も、
いや、彼女の死後にこうして彼女を追悼するように、
彼女の美しさを永遠に留めるかのようにして、
肖像を描き続けたものと思われる。

そして彼女の名は、今もルネサンスの華として今に残っている…


美しく結い上げた金髪の髪、端正な横顔、
当世流行の貴族の衣服を着た肖像は、今も我々をその美しさで
魅了しているのだ。









ジュリアーノ・デ・メディチ 1478年


ジュリアーノ・デ・メディチはメディチ家の当主、
ロレンツォ・イル・マニフィコの弟で、ロレンツォを支えた。

しかしメディチ家のライバル、バッツィ家の陰謀に巻き込まれ、
わずか25歳で生涯を終える。

シモネッタ・ヴェスプッチ嬢の愛人として知られ、
ボッティチェリも彼を偲んで肖像を描いたものと思われる。

花の盛りのルネサンスの、悲しい恋の主人公だった。



コジモ父のメダルを手にする男の肖像 1474ころ



コジモとは、メディチ家のコジモ・ディ・メディチのことである。

フィレンツェの文芸復興に貢献したコジモ・ディ・メディチを記念して
メダルが作られたものなのだろう。

それを手にした若い男性の肖像。

注文に応じてボッティチェリはこのような肖像も描いたのだろう。

若くきりりと引き締まった若い男性の肖像も、
ボッティチェリはよく描いた。

背景の控えめでしっかりした表現など、
ルネサンス時代ならではの肖像だ




若い男の肖像 1483年


背景はまったく黒くした、若い男性の顔を真正面からとらえた肖像。

意志の強そうな締まった口元、大きな目、当世流行らしい赤い帽子、
モデルの特徴を余すところなく引き出した肖像だと思う。

このリアリティは、まさに今描かれたかのようで、
じっとこちらを見つめる目が生々しく感じられる。

ボッティチェリは肖像画としても力量を発揮した。

 

My Favorite Artists | TOP | HOME

inserted by FC2 system