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Hieronymus Bosch

The Garden of  Earthly Delights

ヒエロニムス・ボス 悦楽の園

部分と全図 パネル全図 2017/5

花の先っぽらしき透明な球体の中に仲良く座っている男女
童話的な場面のような気もする

 

*

 

全体図は、魔術的なくらいに細かい、膨大な描き込みのパネルで、プラド美術館のもう一つの至宝である。

ヒエロニムス・ボスは未だに分からない部分の多い、北方のプレ・ルネサンスというべき時代の画家で、

寓意や象徴の図像を多用した、悪魔的で、怪奇な幻想画家、と言われる。

ボッシュ自身の事は殆ど知られておらず、その生涯など今も謎だという。

 

***

 

作品はほかに「聖アントニウスの誘惑」、「乾草車」など(ともに3面のパネル構成)、それぞれに有名だが、
やはり、この「悦楽の園」の強烈なインパクトは群を抜いている。

右翼面の「音楽の地獄」も悪魔的で魅力的な世界が展開しているが、中央パネルの世界は眩暈がするほどだ。

全体図を見ると、構成が整然としていて、以外とまとまっているので、遠目で見るとさほどすごさが分からないのだが、

こうして部分を拡大してみると、ディテールがこと細かに描き込まれていて、楽しくさえなってくる。

 


 

ほかのディテール。気に入っているものばかり集めました

 

パネル中央より少し左下、果物らしき中に仲良く入っている男女と飛び出た足が…

その左上の青いカプセルらしきものに入って、手を伸ばしている男性にも注目

 

 

フクロウの下に果実の殻らしきもの、そこから男女がふたり、手と足を延ばし…

これだけがひとつの生きもののよう

よくこういう設定が考えられるものだ

 

ちょうど画面中央にあたる部分に池があり、女性が思い思いに集っている

好きな場面だ

 

パネル上部の湖のすぐ左下

人間たちが何かをかついでいたり、何かをかぶって這いずっていたり

人間を虫のように扱っている感じ

 

 

パネル上部のいちばん右の建物?の一部

岩のような球体からドリル状のものが何本も突き出ていて、鳥が群がっている

奇抜なデザインセンスはどこから発想したものだろう

 

  

パネル上部の真ん中

何だか近未来的な球体のまわりにアクロバティックなポーズの男女

球体の上部に伸びた装置(?)はもはや未来の乗り物としか思えない…

 

上の画面のその上の部分

つやつや光るガラスのような建物のような気もする

最上部の真ん中にこれが聳え立っている

シンメトリー構造になっていて、本当に不思議

 

     

ともにパネル最上部 上の真ん中部分のサイドにある建物

ともに建物の前には川があって、男女が集う

快楽の園でありながらもどこか牧歌的でもあり、また未来的な空想のような気もして、
見れば見るほど細部にまで目が向き、この幻想の光景に見飽きることがない

 


  

全体図

 

「悦楽の園」パネルの中央部です。

手前の人物たちが大きく描かれ、それなりに遠近法を用いているようだ

 


パネル全図

左がわ「エデンの園」 中央「悦楽の園」 右が通称「音楽の地獄」 1505年ころ?(諸説あり)

 


世界の創造

パネルを閉じたところ

この地球(宇宙?)の中に悦楽の園や天国、地獄がつまっているのだ

 

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