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Tiziano Vecherio 3

ティツィアーノ

聖愛と俗愛

 

キリスト教では、エロスとアガペーという言い方をするが、このタイトルはそれを意味しているのだろうか。

エロスとは肉体的な愛で、アガペーは精神的な愛情だという風に教わった。

エロスとは性欲ではなく、現実的な人間に対するもので、アガペーとは、神に対する信仰的な精神だという風に
解釈しているけれど、キリスト教には詳しくないので間違いかもしれない…

ティツィアーノのこの作品は、天上的な愛と、地上的な愛を二人の女性に擬人化して表現したもの、
と言われている。

意味ありげなタイトルと、裸体と着衣という二人の美女の不思議な謎めいた距離感、

とにかく人間の二つの愛を、女性の姿を借りて現わしている…、 そう考えたらいいのだろうか。

 

ただ、ここではやはりいろいろな解釈よりも、二人の相反する女性、

右側はうつくしい裸体を見せてくれる、赤い衣を翻して、壺を掲げ持つこの世ならぬ天女のような女性、
左側は清純の象徴のような白い衣服をまとって、こちらを見つめる市井の理想的な女性、

この二人の女性の描写を単純に堪能すればいいような気もする。

 

二人が腰かけている石の(石甕なのだろうか?)井戸に精巧に彫られた彫刻が意味ありげだ。

その上には、どうやら羽根をつけたらしいクピドなのだろうか?手を伸ばして水をすくおうとしている。

後ろに広がるのどかな野山の風景。当時の風景なのだろうか。

 

謎だらけの暗示に満ちた作品。

結婚の、祝福のための作品という解釈もある。

けれども、ティツィアーノの描写は古典的に見事に均衡がとれていて、美しい。 

 


 

 

田園の楽想 1511ころ ルーブル美術館

ジョルジョーネ作品とみなされていたが、近年ティツィアーノの作品とみなされるようになったようだ。

 

 

ニンフと羊飼い(第3の手)

1570ころ ウィーン美術史美術館

羊飼いは笛を持ち、ニンフを左手で抱えているのは誰の手か?
謎の作品

 

1Venus  2Flora (Fimale)  4Portrait

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