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Tiziano Vecherio 1
ティツィアーノ
とにかくティツィアーノは好きすぎて、どれか一つを選べない。
しかもどの作品もグレードが高く、駄作というものもあまりない。どれも素晴らしい。
女性像、宗教画、肖像画、すべてが標準以上、しかも長生きしたらしいから、作品も多いようだ。
どれもみんな見たい。欲しい。眺めつづけていたい。そんな風に思う。ヴェネツィア派ルネサンスの、大画家。
でもとにかくひとつ、と言えばまず、この「ウルビーノのヴィーナス」だ。
とにかくこれをまず堪能しないとティツィアーノは始まらない。
ウルビーノのヴィーナス
ジョルジョーネと親しかったらしく、ジョルジョーネが早世後、そのいくつかの作品を完成させたらしい経緯もあり、
よくジョルジョーネの作品と混同されたりし、共同制作(未完のものを完成させたようだ)もあったようだ。
このヴィーナスは、ジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」から触発され、影響がはっきりと見てとれる。
どちらの作品もヴェネツィア・ルネサンスの盛りの息吹をまさに今に伝えている。
このヴィーナス像は、実際のモデルがいたのだろうか。
この寝室でしどけなく寝そべって、シーツの上でうつくしい白い肌を晒している彼女を、
しかし少しも下品には感じられない。
美しく均整の取れた女性の理想的な裸体、その右手には花を掴み、金色の髪はカールを巻いて、
肩に添って垂れている。
花を持って、その花が少しシーツに落ちてしまっている。
足もとには体を丸めた子犬。
部屋の後ろには、彼女の世話をする召使が衣服を用意しているのだろうか。
そして、白い肌を惜しげもなくさらして小首をかしげ、寝そべった彼女の、
こちらを誘惑するような、挑むような、蠱惑的な視線。
ディテールまでがいくら見ても見飽きない。
寝室でくつろぐ彼女はヴィーナスというよりは、裕福な貴族の奥方のようにも見える。
彼女の美しさを絵に留めたくて、主人が描かせた…、そんな想像を抱かせる。
以降のヴィーナス像の規範になった作品ではないだろうか。
ヴィーナスとオルガン奏者
(音楽にくつろぐヴィーナス) プラド美術館 c1550
ヴィーナスとオルガン奏者を表した作品はいくつかのヴァリエーションがあるようだが、
プラドのこの作品が最初のものだとのこと。
少しはしない感じがさすがに漂って来る
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