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Rembrandt van Rijn
レンブラント「自画像」
レンブラントでおそらく最も有名な作品は「夜警」だろうけれども、彼は自画像を異様に多く描いた画家である。
その多くが、感動的で、胸に迫るものがある。この、1669年の自画像も、そのひとつである。
オランダが誇るバロック期の巨匠レンブラント・ファン・レインは、人生の浮き沈みも激しかった。
若い時の名声を得た得意満面の絶頂期、年を取り、財産もなくした凋落期、
そのいずれにも自画像を残し、単なる写実を超えて、深く己の魂を写し取ったかのような精神性を、それぞれに獲得している。
それぞれに、いかなる時にも精神性を失わなかったレンブラントの高潔さが、画布ににじみ出ているようである。
「光の画家」として有名な画家だが、技術だけではない、技術よりも、その人間性がタッチに現れていて、
それが、見るものの心を打つ。
レンブラントの家族の肖像
机のティトゥス
まだ幼い息子ティトゥスを描いたこの絵、絵の具の厚塗りでざらざらした質感、
それが我が子への愛の深さを示しているようで感動的だ
本を読むティトゥス
上の図から少し成長したティトゥスが本を読んでいる。
レンブラントは自画像もたくさん描いたが、我が子を成人してからも、多く描いている。
どれもが父親としての愛情に満ちていて、心打たれる。
しかしティトゥスは早世するのだ…
水浴する女
おそらく、「水浴」というタイトルからして水浴のスザンナか、バテシバを描いたものと思われるが、
このモデルはレンブラントの2番目の妻、ヘンドリッキェと言われている。
レンブラントの代表作でもあるが、円熟したテクニックで、水に足を入れる女性の瞬間をとらえていて、
また絵の具の塗りも見事だ。
モデルの素朴な人柄が伝わって来るようでもあり、
そこからレンブラントのモデルに寄せる愛情も深く伝わって来る。
バテシバ
その美貌からダビデ王に見初められた人妻バテシバが、ダビデ王からの召喚の手紙を読む場面だろう。
このモデルもヘンドリッキェだと言われている。
美貌の人妻という設定なのに、このバテシバはまるで生活に疲れたような、
そして決して美しくはない、衰えた肉体をありのままにさらしている。
これがダビデ王を魅了した女性なのだろうか。
レンブラントは、ありのままの妻の裸身を描くことによって、彼女への真摯な愛をここで吐露しているようにさえ思える。
そして名作「夜警」
光の画家といわれる所以の、その光と闇のコントラストを生かして、集団像を単なる肖像に終わらせない画家の美学が光る。
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