下鴨神社の古本まつりレポート


古本まつりオリジナル袋
すてきなデザインだわー。

 

下鴨納涼古本まつり
8/11〜8/16

04/8/27

 

下鴨神社は葵祭で有名ですが、夏の古本まつりでも有名です(有名の質が違うって?)。
下鴨神社の古本まつりは、毎年夏のお盆前後に行なわれます。ものすごい数の古本が出るので、本好きが楽しみに待っているイベントです。
私も今年初めて古本を求めて行ってみることにしました。ではそのレポートをどうぞ。

 


行けども行けどもテント!
無限に設営されているテントの中に本がぎっしり。
それぞれ本屋さんごとにテントが出るのです。

 

下鴨神社は、糺ノ森と接しています。
正確に言うと、古本まつりは下鴨神社ではなく、
この糺ノ森で行なわれるのです。

場所は京都市左京区下鴨泉川町

よく知らないんだけど、糺ノ森って下鴨神社の境内ではないのかな(?)。
京都市内に突如森が出現します。
うっそうと木々が生え並んでいます。

でも森というほどではない。ドイツのシュワルツワルドなどとは比べないで下さい。
しょせん、京都市内にある森ですから(>_<)。

 


百均コーナーなどもあり、みなさんが必死で吟味中。
その他児童書コーナーとかあり。

バックはうっそうとした森。
木の影になっているから、日傘をささなくても涼しい環境で本を探せるのがベリーグッド。

 

糺ノ森は京都駅から市バス直通で行けます。糺ノ森駅で降ります。ちなみに「ただすのもり」と読みます。次の駅が下鴨神社前ですが、下鴨神社の古本まつり、という名前のわりにそこで降りたら遠いので、必ず手前で降りないといけません。ややこしいです。
糺ノ森駅付近から南に向かってテントがはられており、バス停「新葵橋」までテントが続いています。

 

はじめは歩いても歩いてもテントなので気があせってしまい、目が血走ります。必死になって片っ端から本の表紙を見て歩きます。
でもそのうち疲れて来て、だんだんいい加減に見るようになります。

やがて、欲しかった本ではないけど、セカンドクラスの本を見つけて感激し、買ってしまいます。
そうすると、古本まつりで本を買えた、という満足感ですっかりご機嫌になり、気持ちに余裕が出て来ました。

 


こんな木々の生える木陰で本を探すのは乙なもの。

古本屋さんは、岡山、大阪、奈良からも出店。
毎年出る店はテントの場所も決まっているとか。

チラシが配られていて、本屋さんのひとことコメントが載せられている。
「今年は勝負するものがありませんが、なんやかやもっていきます」
なんていう小じゃれたコメントが。

 

新葵橋まで下がって、まあ本命の本はなかったものの、何となく満足して今度は北上しながら写真を撮ることに。

新葵橋近辺ではかき氷なんかも売っていました。途中には休憩用の赤い毛氈を敷いたベンチなどもあり、疲れたら座れるようになっています。親切。
中ほどに本部があり、黒猫ヤマトの宅急便の受けつけも。たくさん本を買ったら宅配で送るサービスです。

さて私は、せっかくなので糺ノ森を北上し、下鴨神社まで行って来ました。

 


下鴨神社の入り口。
はじめに建てられたのは古いらしいが、
社殿はかなり建て直しがされていると思います。

京都の神社らしく国宝や重文がかなりあります。

 


入り口前の説明。
正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)と言うなどと書かれている。
上賀茂神社(北区)と対になっている社です。

これ以上の詳しいことはよく知らないので(>_<)かんべんしておくれやす。

 


拡大図
糺ノ森も説明してます。


ひどい写真で失礼
楼門を入るとこの門があってさらに中に入る。
真正面から写したのが良くなかったなあ(>_<)

 


舞殿と書いてあった。
お能かなんかを舞うところかしらん。

これは40年ごとに建て直すなどと書かれている。
神社という木造建築の特徴だ。
生活の知恵というか。伊勢神宮などと同じ。
木造は建て直しが基本になってるのだなあ…と感心。

 

このほかいろいろと面白い建物があったのだが、今回はこれだけ(>_<)

さて、今度は下鴨神社から糺ノ森のバス停留所まで下がっていきます。

 


これ川なんですよ(>_<)

よく分からないと思いますが、糺ノ森の中を流れている御手洗川です。
川といっても、小川というのさえはばかるような…
と言ってもこれは上流、下へ行けばまあそこそこの流れかと。

「きむたく」がロケをしたという話もあるのですが。
こんなちっこい川と森で?

しかし御手洗川というのは由緒のある川で、
みたらし団子の発生の由来を持つ川なのです!なめたらいかん!

あと、糺ノ森には泉川が流れています。


これが糺ノ森

ぶれてしまいました(>_<)
でも人と木のコントラストで、木の大きさが分かります。
高くそびえた木が空を隠しているので、
糺ノ森の散歩道は木陰になって、夏でも涼しいのです。

 

さて古本市ですが、私が歴史系の本を探していたからそう思うのかもしれませんが、とにかく卑弥呼と邪馬台国関連の本が異様に多かった!
日本人て、本当に邪馬台国が好きなんだなあとあらためて思った。

それと、ウチの家で、もう何十年も前に買った百科事典や、世界文学全集が、古本屋さんでは立派に流通している、という事実にも驚きです。

やっぱり古本屋さんだけあって、ブックオフなどとは違うんだなあと。「ダ・ヴィンチ・コード」なんていう新古本はないのだ。

 

大量の古本の山を見て、少し感激しました。

それから感じるのは人の営み。

この大量の、数えきれない本は、全部人が一度買ったもの。
これだけの数の本を誰かが読んだのだ、と思うと、なぜか嬉しい。
人って、こんなにたくさんの本を読むんだ。こんなに本が好きなのだ…。そう思うと、とてつもなく嬉しい。

そして読んだ後、捨てることが出来ないで、もう一度誰かに読んで欲しくて古本に出す。
それをまた別の誰かが、一生懸命探して掘り出して、大事に持って帰る。

古本に売った時点で、売る私たちはそこで、その本との関わりを断ってしまうけれど、本自体は生きて、また別の世界で流通しつづけるのだ。永遠に。

もう忘れきった本が、古本界では元気に生きているのを見て、そんなことを思った。

本は捨てられることなく、そうやって永遠に本屋さんと消費者の間を行きかい、ぐるぐると回りつづけるのだ。まるで輪廻のよう…。

 

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