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祇園祭

放下鉾 鉾建て・立ち上げ

08/7/21

久しぶりにうれしい楽しい祇園祭です。私の大好きな、放下鉾の鉾建てのようすです。

まず細い新町通りを通行止めにして…

 

鉾建てはまず、土台になる枠組を縄で結わえて作るところから始まります…

釘を一本も使わず、「縄がらみ」という手法で、縄を使って組み立ててゆくやり方です。

道路の地面にはあらかじめ、鉾の立つ位置に印がしてあります。
そこを目印に鉾を立てる

くくりつける縄のしめ方にも鉾ごとの方式があり、独特の美意識があります。

鉾が完成すると、見えなくなってしまいますが

放下鉾の部材は古いです。

四角い枠組のよこに、船の舳先のような、出っ張りをこれも縄がらみで作ります。

これは、あとから鉾を立ち上げる時に、テコの役割をするのです…

この出っ張りがセット出来たら、土台を90度寝かして横倒しにし、出っ張りを上へ向けます。

それとは別に、真木(しんぎ)を用意。
鉾の真ん中をずんと通る、真木です。

鉾の屋根を突っ切って聳え立つ、背の高い飾り木のことです。

鉾は地上から全長約25メートルの高さ、一番小さい放下鉾でも20メートルくらいあるかと
その高さのほとんどが真木の高さです。

真木はこのようにとても長い。先がもはや見えない

手前は下がわ

放下鉾の真木はとても古い。ひび割れもある。
こんなの、どこに保存しておくんだろう。

真木をこのように、横倒しのまま飾りつけます。

放下鉾の真木のお飾りはわりと地味です。(鉾によって飾りは違う)

でも、真木にこのようなお飾りがついていたなんて、びっくり

出た、真木の一番上、てっぺんを飾る鉾頭(ほこがしら)。

放下鉾は、日月星の3つの光が下界を照らすさまを現わした、三光。
州浜の形をする

さあ、船の舳先のような出っ張りが、真上に来たところです。

つまり、四角い枠組を横倒しにしたところ。

はじめは出っ張りを枠の真横にセットし、それを横倒しにして、出っ張りを上に向ける。

この出っ張りの真ん中に一本のロープが通っています。

横倒しになった四角い土台の枠組に、飾り付けの終わった真木をさし込みます。
こうして真木と土台を、横倒しの状態でドッキングさせるのです。

手前は榊。どの鉾でも、真木に必ずさかきを飾ります。

 

さて、このきたない古いロープ。
真木の中央付近にしっかり結わえて、解けないように結びます。

このロープ一本で、横になった鉾を起し、立ち上げます…

ロープは、先ほどの土台のてっぺんを通り…、
はるか向こう側(とおりの真ん中)に支柱があり、そこに固定させます。

そこには「しかけ」がしてあり、縄を引っ張るのです…

昔は人が大勢で引っ張ったそうですが

真木の下方、お囃子の人が乗るやぐらの上部付近には、
別の4本の細い柱を放射状に真木にくくりつける
この4本の柱と真木はやぐらを貫いている。

ここには「網かくし」という布をかぶせるので、鉾が飾り上がると見えなくなる。
ものすごくよく出来た構造です。

さて、いよいよ縄を手繰り寄せて、鉾を立ち上げます。

放下鉾では、この立ち上げに音頭取りの人が登場して、鉾に乗り、指揮するのだ。

つづく

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