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プレ祇園祭 曳初め(ひきぞめ)
四条通編
04/7/15(7/17訂正あり)
新町通を四条に向かって歩いて行くと、なんと突如鉾が動いている!
何だこれは!
近寄ってみると、月鉾のはっぴを着たおじさんたち。月鉾の曳き初めだ。
四条通の往来で、バスや車がブーブー行き来しているところを平気でエンヤラヤー
鉾立てが終わると、完成した鉾から順次、曳き初めが行なわれるのです。これは、17日の山鉾巡行の予行演習。
鉾立てを見に来たら、ちょうど曳初めにぱったり出会いました。ラッキー。
この曳き初めの時は、一般の人でも山鉾を曳くことが出来ます。観光客のいないこの曳き初めこそ、京都人が祇園祭を一番楽しめる時かも。
最前一生懸命組み立てている最中だった月鉾が、完成してお披露巡行だ。
てっぺんには三日月が輝いているのですが曇天で見えないかな…。
お囃子の人たちもちゃんと乗っていて、ガンガン演奏しています。
タペストリーもきっちりとつけて、お化粧が完了してます。
真近くで見ると、でかい車輪がぎしぎしと音を立てています。揺れるし、とても恐い。
屋根の上に登っているお兄さんたちは、大丈夫かな。
月鉾の定位置に戻って来ました。
屋根の上ではまだ作業が続いているようです。
この曳き初めは巡行の時のように交通規制はないから、となりをびゅうびゅう車が行き交う。
動くのは、近所のみ、直線です。
四条通の北側、室町通では、菊水鉾がやはりお囃子方を乗せて、曳き初めを終えた所でした。
てっぺんには繊細な金色の菊の花の飾りがあります。
曇天でよく見えませんが、この鉾のタペストリーは、他の鉾の赤々した絢爛豪華な色と違って、オレンジ系で渋いです。この室町通はとても狭いので、鉾を立てたら身動き出来ない。すでに車両禁止になっています。
さて四条通、烏丸を渡って東に行くと長刀鉾がいた。
これもお化粧が終わって完成したばかり。
うわー、お囃子の人が山なりにいるぞ。
タペストリーにはビニールが被せてありますねえ。当日はちゃんと取るのかな。
なんと、いきなりコンチキチンと演奏が始まり、動く気配が。
ここも曳き初めだ〜 慌ててカメラを向けました。
エンヤラヤー
おじさん、かっこいい!二人の息がぴったりです。
車輪がギシギシと軋んで鉾が動き出すと、ギャラリーからいっせいに拍手!
私も一生懸命拍手しました。
そんなわけで長刀鉾の曳き初めを目撃することが出来ました。大感激!
私、長刀鉾が動き出すのを間近で見たのは、きっと生まれて初めて。
さすがにギャラリーも沢山います。
動いている長刀鉾を撮れて大満足。
だって巡行当日はきっとこんなにきれいに撮れないだろうしね。
長刀鉾には唯一の、本当の(人間の)お稚児さんが乗ります。
(他の鉾ではお人形なのです)
そして、この曳き初めでもちゃんとお稚児さんが乗っていました!
両サイドには、わきのかむろもちゃんと二人いました。感激ひとしお。
お稚児さんは、17日の当日、長刀鉾に乗るだけが仕事ではありません。
13日には八坂神社へ行って、祭の無事を祈ります。
それ以降は、神の使いとなるので、地上を歩けないそうです
(お付きの人にだっこされるそうだ)。
稚児が食べる食事は、女性が作ることが出来なくなるし。
そのほか、さまざまな行事をこなすのです。
訂正)7/17 そのほか、5日くらいには町会所で稚児舞を披露したりします |
長刀鉾は、富小路通まで行って帰って来ます。
Uターンをどうするのかな、と思っていたら、お稚児さんがやおら立ち上がり、中へ入ってしまいました。そして反対側(後ろ側)へ。要するに、鉾はUターンさせず、人が前から後ろに移動して、帰って行ったのでした。
実は私も曳き初めのことはよく知らなかったのです。初めて見ました。
山鉾巡行を見に行ったことはあったような気がしますが、もう覚えていないほど昔のこと。
京都の人は、あまりの見物客の多さで敬遠する人がほとんどだと思う。この曳き初めは祇園祭の意外な大穴ですねえ。間近に鉾が動くのを見ることが出来ました。
鉾が動く時は、祇園囃子の伴奏が欠かせない。お囃子は、巡行と一体となっています。
まず、太鼓がコンと鳴ります。そして、鳴りもの。そして演奏が始まり、鉾の前に乗っている二人の音頭取りの人が掛け声をかけて、それが合図で、この大きな鉾が動き出す。
無音で鉾が動くことはあり得ない。
お囃子は、鉾の巡行の伴奏音楽というより、音楽と動きは切り離せないものなのだと、曳き初めを見ていて、そう悟りました。
おまわりさんは出ていますが、交通規制はないから隣を車が平気で走る。けれども鉾は何のその、そんなこといっさいお構いなしに、自分のペースでゆったりと動いて行きます。
だからとうぜん交通渋滞、車の数珠つなぎ。でも平気。
知らん顔して鉾はあくまでオレ流を通しています。
車より、鉾の方がエライのです。オレ様なのです。この鉾の動きと、お囃子がぴったりシンクロするのです。
お囃子が鳴ると、あたりは突然平安時代になる。鉾の回りに平安時代のバリアーが出来る。
そのバリアーに守られて、鉾は自分の世界を築き、当たり前の顔をして、現代の往来をギシギシと動いてゆくのです。
お囃子を鳴らしてオレ様が通るぞ、と威嚇をして、ゆうゆうと、鷹揚に進む。決して急がない。急ぐなどという、下品なことはしないのです。
恐るべし、祇園祭。