京都府庁旧本館

上京区下立売通新町西入ル

04/11/3

京都府庁舎は、今年で築百年を迎えた。

このたび、その府庁の建物が目出度く国の重要文化財指定を受けることになった。
それを記念して、府庁はこの建物を一般公開し、市民に府庁舎の成り立ちを広く知らしめようと、催しを開催した。
京都の数あるモダン建築の中でもひときわ美しいこの庁舎の公開に、早速行って来たぞ。

 


庁舎の門の外側に、明治天皇行幸所…などという碑がある。
ここから、明治天皇が行幸なされた、ということなのだろうか(そのままやん)

門を入ると、京都守護職屋敷址という碑があるというが、未発見。

 


門の前より
怪しい人影が写っていたので、ちょっとぼかしました(^_^;)

地下鉄を、京都駅から乗ると丸太町駅で降り、歩いて約10分。
御所の西側という、京都の中でも環境の良い景勝地(?)にある。
横には京都府警が、そして南は第二日赤の病院だ。

丸太町駅で降りると、烏丸通、御所の横を歩いていこう。
聖アグネス教会で横に折れ、下立売通をまっすぐ歩くと、府庁に出る。

 

この建物は本当に美しい。
写真で見るより、何倍も美しい。
思っていたよりもずっと美しく、私は夢見ごこちになった。
私って、ロマンに生きる人なの。
こんな庁舎で働ける府の職員はしあわせ者だ。

京都府庁「旧本館」、というのは、昭和46年に知事室が新庁舎(横にあると思う)に移転し、現在では執務はそこで行われているらしいからです。
しかし今でもこの旧本館はさまざまなこと(^_^;)に使われているらしく、現役で使われている府県庁舎としては、日本最古だということです。
実際、中に入ってみると○○室、とか書かれた札が各部屋の前に掲げられており、トイレも使え(入ったのだ)、古いながらも現役バリバリです。

竣工は明治37年。設計者は松室重光という人です。

この人は、京都ハリストス正教会という、日本のハリストス正教会建築の規範となった建物も設計した人である。

 


全体としてはルネサンス様式

正面の車寄せとその上のバルコニー、三連窓、そして三角形のペジメント。
美しい♪
スレート屋根に屋根窓も可愛い。

全国の庁舎建築の手本とされて来たというだけあって、
均整のとれた、気品に満ちた建築です。

 

 
中央階段

かっこのいい車寄せから中に入ると、この大理石で出来た階段がある。
パンフレットには、ここが建物の見せ場のひとつです、と書いてある。

写真を撮っていいですか〜、と
例によって職員さんに聞くと、ああどうぞどうぞ〜
と愛想よく答えてくださる。嬉しい!

そんなわけで内部も遠慮なく撮って来た!

案内してくれる職員は沢山いたが、全員とても親切で丁寧。
うーん。市民サービスか?

 

順路は、階段を上って2階へ行き、まず旧府知事の執務室へ。


飾り棚。

ちゃんと指定文化財の家具です(笑)
乱暴に扱わないで下さい、
バッグなどで家具を痛めないで下さいと注意書きがある。

旧知事室も公開していて、入らせてくれるのだ。
家具調度品もとても美しく、素晴らしいものだ。

 


旧知事室

この机こそ、代々の京都府知事が座り、職務に励んだ机だ!

別室には、明治より今日までの知事の写真も紹介してあったぞ。
この机で、あの蜷川虎三知事が執務していたのかと思うと、京都人は感慨無量だ!

ちなみに左角にある家具も、指定文化財扱いだ(笑)

 


廊下

もうなんでも写す。
廊下も、この写真で見るよりもずっと美しかった。
白い壁に上げ下げ式の窓。
ノスタルジーとハイカラと。

本当は、白壁は所々はがれていて、傷だって沢山あった。
だけど、そのはげ具合も何だか素敵なのだ。
うーん。私ってヲトメ。

廊下は木です。
歩くとみしみし言います。
このように、赤いじゅうたんが敷かれていて、音を吸収してはいるのですが。


正庁内部

何だかまったく意味のない写真ですが(>_<)
部屋の中を何とか撮っておこうと思い…。
白い天井に模様が浮き彫りされていて、それがすてきだったのですが…
この部屋から、バルコニーに出られます。

 

車寄せの2階はバルコニーになっていて、そこにも入らせてくれました。
この写真は、そのバルコニーから釜座通りを眺めたもの。

ああ、なんて素敵な眺め〜
庁舎の正面の庭はこのように植え込みが。
そして、入り口の門から向こうは釜座(かまんざ)通。

かつて府庁は釜座幕府と呼ばれたそうだ。
釜座通は、府庁の前だけが広く見通しが良くなっています。

 

バルコニーからのけぞって、屋根を撮ってみました。
色合いが美しいのですう。

3連の丸窓と三角形のペジメント

 


暖炉

暖炉は本当に使っていたのかどうか分かりませんが、
全部で4つほどあり、そのうちでこれがいちばん豪華、と案内に書かれていた。

 

車寄せのある正面のちょうど向い側から中庭を写したもの。

庁舎の建物は、中庭を挟んで周りをぐるりと取り囲んでいるという形。
四角くて、中庭を一周しているので、廊下を歩き続けると元の位置に戻ります。

中庭にも自由に行くことが出来ました。
桜や、もみじやさつきなどが植わっていました。

ここのしだれ桜は、隠れた名所だということです。

 

で、階段を降りてもとの玄関に来ました。
この階段が本当にステキ。

手前の赤い消火器のようなものは、花灯篭のための灯篭。
特別イベントで、夜ライトアップされるので、そのためのもの。

 


庁舎横に重厚な謎の建物。

近寄ってみると、京都府警本部、京都公安本部と書かれていた。
記念に撮影。

 

そういうわけで、京都府庁旧本館を訪問してみました。

全体としては昔の小学校という感じ。
キィ〜と開ける、金のノブつきの扉。
廊下の憲法を考えるという貼り紙。

古いけれども、ちゃんと保存して、ちゃんと使われている。
煉瓦フェチにはたまらない。
私は、京都国立博物館に次いで好きな建物です!

 

こういう骨董的建物は、文化財として保存して、お金をとって公開、という傾向が強いですが、そうではなくて、私は、ちゃんと建てられた時のままに庁舎として使われている、ということがとても素敵だと思うし、重要だと思うのです。

今回の特別公開では、最後にアンケートを集計していて、この府庁舎を今後どのように活用していくべきか、一般の意見を募集していました。

イベント会場とか、博物館としてとか、いろいろアイデアが箇条書きされていました。だけれども私は、府庁舎は府庁舎として使って欲しい、と思う。
保存や維持のためにお金がかかるのかもしれないけれど、そのためにだったら税金を払ってもいい。私はそんな風に思ったりしました。
だって煉瓦フェチだもん。

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